2024-25シーズンの移籍市場で、最も注目を集める存在の一人がバイエル・レバークーゼン所属のドイツ代表MFフロリアン・ヴィルツだ。昨シーズンは公式戦49試合18ゴール20アシストと圧巻のスタッツを記録し、ブンデスリーガ優勝の原動力となった21歳の逸材に対し、欧州のビッグクラブが熱視線を送っている。
今季も主軸を務め、44試合で16ゴール165アシストを奪うドイツ代表ミッドフィルダーに対して、なかでも、マンチェスター・シティとバイエルン・ミュンヘンによる一騎打ちの様相を呈しており、移籍金1億ユーロ(約170億円)を超える“現代版ポーカー”が展開されている。
ケヴィン・デ・ブライネの後継者?マン・シティが1億2500万ポンド超を準備か
今シーズンはプレミアリーグを逃したマンチェスター・シティは、退団するベルギー代表MFケヴィン・デ・ブライネの後継者として、ヴィルツの獲得を最優先事項と位置付けている。英『Goal.com』によれば、シティは1億2500万ポンド(約200億円)超という破格の移籍金を用意しており、移籍金ランキング上位に食い込む可能性すらある。
さらに、ドイツおよびイングランドの複数メディアは、ヴィルツとその家族が火曜日に極秘でマンチェスターを訪問し、シティ・フットボール・アカデミーでクラブ幹部と直接会談を行ったと報道。ペップ・グアルディオラ監督自身がヴィルツを高く評価しており、直接プレゼンを行った可能性もあると見られている。
注目すべきは、シティがバイエルンの動きをハイジャックしたとの情報だ。 独『Bild』紙によれば、シティはすでにレバークーゼンとの間で移籍に向けたフレームワーク(口頭合意)に達しているという。ブンデスリーガ内での大型移籍を嫌うレバークーゼンの意向が背景にあるとされ、これはシティにとって大きなアドバンテージだ。
ドイツ人ジャーナリストのクリスティアン・ファルク氏も「これはポーカーだ」と表現し、シティがバイエルンに対抗する形で新たな提案を提示し、ヴィルツにミュンヘン行きを再考させようとしていると伝えている。
バイエルンも後退せず、リバプールも極秘接触か?
一方で、バイエルン・ミュンヘンも依然として強気の姿勢を崩していない。すでにヴィルツおよび家族と口頭合意を結んだとされ、仮に今夏の移籍が実現しなくとも、「1年待ってでも獲得する」との構えを見せている。
さらに、ここにきてリバプールの関与を示唆する報道も浮上してきた。表向きには興味を失ったとされていたが、一部情報では、火曜日にリバプール関係者がヴィルツ側と極秘会談を行い、1億2500万ポンドでの逆ハイジャックを仕掛けているとの憶測も飛び交っている。
このタイミングが、まさにシティとの面談と重なる点も注目されており、現時点では真偽不明な情報が錯綜する状況となっている。
なお、シティはヴィルツ一本に絞っているわけではない。伊『Gazzetta dello Sport』によると、ACミラン所属のMFタイアニ・ラインデルスにも関心を寄せており、“ナンバー8” の補強候補は複数存在する。
それでも、ドイツ代表の新たなスター候補フロリアン・ヴィルツは、今夏移籍市場の目玉であることに変わりはない。バイエルン、シティ、そしてリバプールまで絡んだ三つ巴の争奪戦。その行方を巡り、今後もサッカー界の注目が集まり続けるのは間違いない。