トルコの名門フェネルバフチェを率いるジョゼ・モウリーニョ監督が、イングランド・プレミアリーグの強豪マンチェスター・ユナイテッドに所属するデンマーク代表FWラスムス・ホイルンドの獲得を視野に入れている。
2023年の夏、アタランタから高額な移籍金でユナイテッドに加入した22歳のストライカーだが、イングランドでは思うような結果を残せずに苦しんでいる。そんななか、かつての“スペシャル・ワン”がホイルンドに再起のチャンスを与えようとしている可能性が浮上してきた。
プレミアリーグで苦戦続き…期待に応えられない大型FWホイルンド
アタランタで非凡なポテンシャルを見せ付け、鳴り物入りで加入したホイルンド。移籍金は最大7200万ポンドに達するとも言われ、クラブの未来を背負うストライカーとして大きな期待を寄せられていた。
だが、プレミアリーグの壁は想像以上に高かった。今季のプレミアリーグでの成績は30試合4ゴール(うち21試合が先発)。公式戦全体でも49試合10得点と、数字だけを見れば“成功”とは言い難い。高さとスピードを兼ね備えたポテンシャルは評価されつつも、得点力不足が課題として浮き彫りになっている。
さらに、共同オーナーのジム・ラトクリフ氏が「自分の責任ではない遺産」として過去の高額補強に不満を漏らす場面もあり、ホイルンドの立場は決して安泰とは言えない状況にある。
そんな中、ホイルンドに目をつけたのが、フェネルバフチェを率いるジョゼ・モウリーニョ監督だ。トルコリーグではガラタサライが優位に立っているが、フェネルバフチェも来季に向けた反攻の準備を進めている。
土『Sozcu』によれば、フェネルバフチェは今夏の移籍市場で2人のスター級ストライカーの獲得を目指しており、ホイルンドがその候補の一人として浮上している。
前線ではエディン・ジェコの退団が濃厚で、ユセフ・エン=ネシリやジェンク・トスンといった名前もリストラ候補に。攻撃陣の大刷新を進める中、ホイルンドの獲得は“若さ”と“将来性”の両面で理にかなった補強となる。
注目すべきは、その移籍形態。報道によれば、フェネルバフチェは「買い取りオプション付きのローン契約」を用意しているとのこと。現時点で買い取り金額の詳細は明らかになっていないが、これはユナイテッド側の経済的損失を最小限に抑える手段となり得る。
移籍金総額7200万ポンドとされるホイルンドだが、この額を回収するのは現実的に難しい。ローンであればまずは新天地でパフォーマンスを見極める猶予が生まれ、クラブにとっても将来的な売却益の可能性が残される。
一方で、ホイルンドにとってもキャリアの再出発にふさわしい選択肢となるかもしれない。プレッシャーのかかるプレミアから離れ、より自由にプレーできるトルコで自信を取り戻すチャンスとなる。
ジョゼ・モウリーニョ監督が若きストライカーにとっての救世主となるのか、それともイタリアでの再挑戦を選ぶのか。ユナイテッドの未来のエースとして復活を遂げる道は残されているのか。