ウナイ・エメリ体制下で評価急上昇、アクセル・ディサシ…アストン・ヴィラ完全移籍へ前進か?

ウナイ・エメリ体制下で評価急上昇、アクセル・ディサシ…アストン・ヴィラ完全移籍へ前進か? Aston Villa

プレミアリーグで熾烈なチャンピオンズリーグ出場権争いを繰り広げるアストン・ヴィラ。ウナイ・エメリ監督の巧みなマネジメントにより、強豪の仲間入りを果たしたクラブは、次なる飛躍へ向けた補強に動き出している。その中で注目を集めているのが、チェルシーからローン移籍中のフランス代表DFアクセル・ディサシの去就だ。

2023年夏、モナコからおよそ3,900万ポンドでチェルシー入りしたアクセル・ディサシ。しかしスタンフォード・ブリッジでは定位置を掴むには至らず、限られた出場機会に留まった。その後、再起を期して2025年1月にアストン・ヴィラへローン移籍。ここで新たなチャンスを掴むことになる。

センターバックを本職としながら、右サイドバックとしても起用される柔軟性を発揮。出場機会は限られているものの、特に3月のブレントフォード戦では圧巻の守備を披露し、マン・オブ・ザ・マッチに輝いた。対して、パリ・サンジェルマンとの一戦では苦戦する場面も見られたが、それでもその存在感は確かなものとなっている。

これまでにプレミアリーグ7試合(488分)、チャンピオンズリーグ3試合(126分)に出場しており、安定感とフィジカルの強さは、ヴィラの守備陣に新たな厚みを加えている。

アストン・ヴィラがディサシの完全移籍を視野に入れている理由は、単なるプレー内容にとどまらない。クラブ関係者によれば、彼のプロフェッショナリズムとメンタリティが、ウナイ・エメリ監督およびコーチングスタッフに強い印象を与えているという。

練習に対する真摯な姿勢、試合における献身性、そして精神的なタフネス。こうした要素が「インクレディブル」と評される所以であり、監督が彼の獲得を熱望している背景でもある。

完全移籍に向けた交渉がスタート…チェルシーとの駆け引きへ

仏『Foot Mercato』によれば、アストン・ヴィラはすでにディサシ本人との間で、完全移籍に向けた前向きな話し合いを開始しているという。今後はチェルシー側との正式な交渉に入る見込みだ。

複数のプレミアリーグクラブがディサシに関心を示しているとされるが、すでに選手本人と接触しているヴィラは、獲得レースにおいて一歩リードしている可能性がある。

一方のチェルシーは、来たる夏の移籍市場で大規模な選手整理を進める構え。報道によれば、最大で7〜8名の選手を放出する可能性があり、ディサシも「余剰戦力」もしくは「売却候補」としてリストアップされているとみられている。

さらに、クラブは新たなセンターバック獲得にも意欲を見せており、マルク・グエイ(クリスタル・パレス)やヨレル・ハト(アヤックス)といった若手有望株に興味を示している。ディサシの移籍金は、こうした補強資金の一部として活用されるかもしれない。

アストン・ヴィラにとって、アクセル・ディサシの完全移籍は守備陣の強化だけでなく、来季の飛躍に向けた大きな一手となるかもしれない。一方でチェルシーにとっても、売却による資金確保は今夏の戦略の中核をなす。

ウナイ・エメリ監督が絶賛する「インクレディブル」なディフェンダーは、来季もヴィラ・パークで躍動するのか。