プレミアリーグがシーズン最終盤を迎え、ヨーロッパ全土で今夏の移籍市場に向けた動きが水面下で加速している。そんな中、リバプールの中心選手であるアルゼンチン代表MFアレクシス・マック・アリスターに対し、スペイン王者レアル・マドリードが本格的な関心を寄せているとの報道が相次いでいる。
ワールドカップを制した実績に加え、今季プレミアリーグを制覇したリバプールでも卓越したパフォーマンスを披露してきた同選手は、いまや世界的なミッドフィルダーに成長し、世界中のメガクラブが熱視線を送る存在に変貌を遂げた。
カルロ・アンチェロッティ監督の退任&ブラジル代表監督への就任が迫る中、後任にはかつてリバプールでも活躍した元スペイン代表MFシャビ・アロンソを迎えた。バイエル・レバークーゼンで手腕を発揮している彼がマドリードに戻る日が近づいており、クラブ内部ではチーム再編に向けた具体的なプランが進行している。
スペイン紙『MARCA』は、マック・アリスターがそのプランの中心に据えられていると報じており、同紙の情報によれば、彼の戦術理解力やプレッシングの強度、パスレンジの広さが高く評価されているという。
現在の市場価値は9,000万ユーロともされ、獲得には莫大な投資が必要だが、それに見合う価値があるとの見方が強まっている。マック・アリスター獲得の動きの裏側には、レアルが第一ターゲットとしていたマンチェスター・シティMFロドリからの断りが影響しているとの指摘もある。
レアルはこの夏、3〜4名のトッププレイヤーを迎え入れる方針とされており、その中核に据える新たなミッドフィルダーとして、アレクシス・マック・アリスターの名前がクローズアップされているのは、必然とも言えるだろう。
シャビ・アロンソの存在が鍵に?リバプールとの接点と交渉の行方
さらに注目すべきは、マドリード行きのカギを握る人物として浮上しているのが、かつてリバプールで中盤を支えたシャビ・アロンソだという点。彼はクラブOBとしてアンフィールド内部の事情を熟知しており、リバプールの幹部やスタッフとの繋がりも深い。
アロンソ氏はその人脈を駆使して、マック・アリスター獲得への糸口を探る意向を示しているという。こうした背景からも、マドリードが本気で獲得に乗り出す場合、交渉が加速する可能性は十分にある。
しかし、マック・アリスターの放出にはリバプールが断固として抵抗する構えを見せている。特に、アルネ・スロット監督の構想において同選手は中盤の中心的存在であり、放出は大きな戦力ダウンに直結する。
今季、マック・アリスターは全コンペティションで4番目に多い出場時間を記録しており、リバプールにおける信頼度の高さを数字が裏付けている。さらにトレント・アレクサンダー=アーノルドの退団もあって、リバプールがこれ以上の主力流出を絶対に避けたいと考えている点も強調されている。
開幕まで1ヶ月半を切ったこの夏の移籍マーケット。中盤強化を急ぐレアル・マドリードがアレクシス・マック・アリスター獲得に向け、どれほどの金額やトレード要員を差し出したとしても、この夏に移籍が現実になることはないだろう。