今夏の移籍市場において、プレミアリーグ複数クラブが注目する若き才能、リアム・デラップ。昨夏、マンチェスター・シティからイプスウィッチ・タウンに加入すると、トップリーグで目覚ましい活躍を見せ、フィジカルとスピードを武器にチームの攻撃を牽引。
22歳のストライカーは孤立無縁になる時間帯も多い中、相手のセンターバックとやり合い、今季はここまで38試合12ゴール2アシストを挙げた。しかしクラブはプレミア残留争いに敗れ、来季のチャンピオンシップ残留が決定。そのため、プレミアリーグでのプレーを望むデラップは、今夏の退団が濃厚とされている。
10代から将来を嘱望されたデラップには、マンチェスター・ユナイテッドやチェルシーといったビッグクラブが興味を示している。加えて、ウェストハム・ユナイテッドも水面下で交渉に動いていると報じられており、獲得レースは熾烈を極めつつある。
そんな中、元アストン・ヴィラのフォワードであるガビー・アグボンラホー氏が投げかけた“助言”が、波紋を広げている。
彼は「もし私がリアム・デラップなら、今のマンチェスター・ユナイテッドには行かない。彼にとって今必要なのは、出場機会と成長できる環境だ。ウェストハムは彼に最適なクラブだよ」と述べ、イングランドの名門に移籍するのは好ましくないと持論を展開した。
ストライカー不足のウェストハム、獲得の現実味は十分
確かにウェストハムは現在、前線の人材が手薄だ。20歳FWエヴァン・ファーガソンはレンタル元のブライトンに復帰する見通しで、ストライカーの補強は急務となっている。
しかも、デラップにはイプスウィッチの降格に伴い発動する契約解除条項が存在するとされる。金額的には簡単ではないが、ハマーズの予算規模を考えれば払えなくはないラインでもある。
一方で、マンチェスター・ユナイテッドやチェルシーが本格的に動き出せば、金銭面やネームバリューで劣るウェストハムが後手に回る可能性も否めない。クラブ側としては、“早期決断”に持ち込むことが成功のカギになるだろう。
デラップの去就を巡っては、ファブリツィオ・ロマーノ氏やスタン・コリモア氏といった著名なジャーナリストやフットボールコメンテーターも注目しており、まさに2025年夏の移籍市場の目玉となっている。
若くして大きな岐路に立つリアム・デラップ。出場機会を確保し、キャリアをさらに押し上げるには、どの選択がベストなのか。
確実なスタメン起用が見込まれるウェストハムでレギュラーとして戦うか、マンチェスター・ユナイテッドやチェルシーでポジション争いに挑むか。いずれにしても、その決断は今後のキャリアを大きく左右することになりそうだ。