イングランド南部に本拠を置くAFCボーンマスが、フランス・リーグアンでプレーする日本人ストライカー古橋亨梧と、同じくスタッド・レンヌに所属する左サイドバック、アドリアン・トルファートの動向を注視している。
2021年にスコットランドの名門セルティックへ加入した古橋亨梧は、その後の2年半でクラブに多大なインパクトを残した。公式戦165試合で85ゴールという記録を打ち立て、スコティッシュ・プレミアシップ3連覇を含む合計8つのタイトル獲得に貢献。ゴールセンスと豊富な運動量は、セルティック・パークの熱狂的なサポーターの心を掴んだ。
その活躍を評価され、2024年1月に1000万ユーロでフランスのスタッド・レンヌへ移籍。しかし、ここから流れが一変する。レンヌに招聘したホルヘ・サンパオリ監督がわずか数日で解任され、代わって就任したハビブ・ベイ新監督の構想からは外れた存在に。以降は出場機会も限定され、リーグ・アンでの適応に苦しんでいる。
こうした背景から、クラブ側は契約解消を含めた動きを進めており、選手側も新天地を模索中。そうした中で、古橋の獲得に関心を示しているのがアンドニ・イラオラ監督率いるボーンマスだ。仏『Le Parisien』によれば、ボーンマスは既に古橋の代理人サイドと接触しており、今夏の移籍市場での正式な入札も視野に入れているという。
古橋には昨夏、マンチェスター・シティも興味を示していた過去があるが、移籍には至らなかった経緯がある。今回はプレミアリーグ挑戦の現実味が一気に増しており、30歳を迎えた日本代表FWにとってキャリアのターニングポイントとなる可能性がある
古橋と並んでボーンマスのレーダーに映っているのが、23歳の左サイドバック、アドリアン・トルファートだ。ベルギー生まれながらフランス代表として活躍する同選手は、レンヌのアカデミーから台頭し、2020年のトップ昇格以降、リーグ・アンで100試合以上に出場している。
トルファートの武器は、俊足を生かした攻守両面での高い貢献度だ。スプリント力に優れ、左サイドを上下動しながらクロスも果敢に狙う現代的なフルバックとして、欧州の複数クラブがリストアップしている。
ボーンマスとしても、現左SBのミロス・ケルケズにビッグクラブからの関心が寄せられている現状を踏まえ、後任候補の確保は喫緊の課題。同選手の流出リスクを見越したスカウティングが進められている。
トルファートの契約は2026年まで残っているものの、来季に向けてのチーム再編を図るレンヌは、6月末のプレシーズン開始前にスカッド整理を進めたい意向。売却のタイミングとしてはこの夏が最適と見られており、ボーンマスを含む複数クラブが争奪戦に名乗りを上げる可能性が高い。
古橋とトルファートという2人のレンヌ所属選手に目を付けたボーンマスの動きは、明確な補強ポイントを示している。得点力不足に悩む攻撃陣と、主力流出が見込まれる左サイド。いずれも即戦力の補填が求められるポジションであり、両選手の獲得が実現すれば、チーム力の底上げに直結するだろう。
古橋にとっては、短期間で終わったリーグ・アン挑戦からの巻き返し、そして念願のプレミアリーグ初挑戦という舞台が整いつつある。一方のトルファートにとっても、フランス国外への移籍は新たなステージへのステップアップになり得る。
果たしてボーンマスはこの夏、2人の実力者をプレミアの舞台へ連れてくることができるのか。