2024-25シーズンのプレミアリーグに帰還したリーズ・ユナイテッドが、早くも本気の動きを見せている。悲願のトップリーグ復帰を果たしたばかりの彼らが、次に掲げるのは「残留」ではなく「定着」。その鍵を握るのは、やはりゴールを決め切る前線の存在だ。
その中で再びターゲットに浮上しているのが、スタッド・レンヌで活躍する23歳のストライカー、アルノー・カリムエンド=ムインガだ。リーグ・アンで「リアルキラー」の異名を取るフランス人アタッカーを巡り、リーズは本腰を入れ始めた模様だ。
アルノー・カリムエンド=ムインガは、今でこそリーグ・アン屈指のストライカーに成長したが、彼の名前がイングランドに響いたのは今回が初めてではない。2022年、パリ・サンジェルマンに所属していた当時、リーズはローン移籍での獲得を画策。しかし、そのときはレンヌとの競争に敗れ、約2100万ポンドでの完全移籍が決まった。
それから3シーズン、カリムエンド=ムインガは着実にステップアップを重ね、直近の2024-25シーズンではリーグ17ゴールをマーク。フランス国内でのトップスコアラー争いでも3位に食い込み、名実ともに“リアルキラー”へと変貌を遂げている。
通算成績は、レンヌで112試合40ゴール。リーグ・アン全体では155試合で53ゴールと、数字が語るように抜群の決定力を備えている。かつての恩師ブルーノ・ジェネシオも「コンプリートなアタッカー」と賞賛した逸材だ。
そして今、レンヌは彼の売却を容認する姿勢を見せており、移籍市場での争奪戦が再燃している。フランス国内では、アルノー・プイユ会長が「1月には多くのクラブから接触があった。今夏も話を聞く用意がある」と明かしており、3000万ユーロ以上のオファーを望んでいると伝えられている。
プレミアリーグ再挑戦への決意…リーズが託す“即戦力”と“未来”
リーズにとって、カリムエンド=ムインガ獲得は単なる補強ではない。それは、昇格即残留、さらには“第二章”の幕開けを告げるシンボリックな一手となるかもしれない。
ストライカーの補強が急務となっている背景には、パトリック・バムフォードの退団説がある。昨季チャンピオンシップで最多得点(95ゴール)を叩き出したとはいえ、プレミアの強度に耐え得るタリスマンが必要なのは明らか。
ヨエル・ピルーの奮闘は称賛されるべきだが、上位リーグで安定的にゴールを挙げられるパートナー、あるいはライバルの存在は不可欠だ。
ライバルとなるのは、バイエル・レバークーゼンやニューカッスル・ユナイテッド。特に後者はカラム・ウィルソンの後継として注目しているとされるが、イサクの台頭により出場機会が限られる可能性も否めない。一方で、リーズならファーストチョイスとしての道が開けている。
オーナーの49ersエンタープライズは、今夏の移籍市場において1億ポンド規模の補強費を準備しているとされており、財政的な支援も万全。今こそ、3年前のリベンジを果たす絶好のタイミングだ。
さらに、リーズはストライカー以外の補強も視野に入れており、ゴールキーパーやトップ下、ディフェンスラインの強化も進行中。候補には、カルヴィン・フィリップス、トマーシュ・ソーチェクら実力者の名が並ぶ。攻守にわたり層を厚くすることで、プレミア残留だけでなく安定した中位進出を狙う。
アルノー・カリムエンド=ムインガ…その名が、エランド・ロードのスタンドを歓喜に沸かせる日が来るのか。