ニューカッスル・ユナイテッドで長らくゴールを量産してきたカラム・ウィルソンに、転機が訪れている。英『the Sun』によると、33歳のベテランストライカーを巡り、エバートンとリーズ・ユナイテッド、2つのクラブが熱視線を送っており、この夏の移籍市場で注目を集める存在になりそうだ。
2020年にボーンマスからニューカッスルへと渡ったカラム・ウィルソンは、5シーズンにわたり同クラブで存在感を放ってきた。プレミアリーグ130試合出場49ゴールという数字は、決して見過ごせない。イングランド代表でもキャップ数は9を数える。
だが、2024-25シーズンは不本意な形となった。プレミアリーグでの先発出場はわずか3試合にとどまり、ゴールはFAカップの1得点のみ。アレクサンダー・イサクの台頭により、ベンチを温める機会が増えたのは否めない。
ニューカッスルは契約延長の1年オプションを行使しない方針を決断。代わりに、出場時間に応じて報酬が変動する新契約を提示したが、選手側はこれに難色を示しているとされる。
事実上の放出通告とも受け取れるこの動きに、移籍市場の関係者たちが即座に反応。フリートランスファーの可能性が現実味を帯びる中、プレミアリーグの複数クラブがその動向を注視している。
出場保証のリーズ、現実路線のエバートン…争奪戦の行方は?
とりわけ関心を強めているのが、来季プレミアリーグ復帰を果たすリーズ・ユナイテッドだ。ダニエル・ファルケ率いるチームは、経験豊富なストライカーを補強ポイントの一つに据えており、ウィルソンはその条件に合致する。
プレミアで得点力を証明済みのストライカーとして、ヨエル・ピルーとの共存も期待される。さらに、ファルケ監督の下であれば、毎週プレーできる可能性が高いという見通しも報じられており、出場機会を渇望するウィルソンにとっては魅力的なオファーとなるだろう。
一方、エバートンも獲得レースに名乗りを上げている。経済的に大型補強が難しいクラブ事情を背景に、フリーで獲得できるウィルソンは理想的なターゲットと言える。
加えて、来季からは新スタジアムへの移転も控えており、移籍が実現すればウィルソンにとってはキャリアの新たな挑戦となる。デイビッド・モイーズ監督も、即戦力のストライカーを強く求めており、クラブとしても前向きな動きを見せているようだ。
ただし、気がかりな点もある。ウィルソンはここ数年、ハムストリングや背中のトラブルに見舞われており、コンディション面での不安が拭えないのも事実。出場保証や給与面での条件が整えば、いずれかのクラブとの合意は目前と見られるが、決断には慎重を要する局面に差し掛かっている。
なお、エバートンは並行してイプスウィッチ・タウンの若手FWリアム・デラップにも興味を持っているとされるが、同選手にはチェルシーやマンチェスター・ユナイテッドも参戦しており、争奪戦は熾烈を極める。ユナイテッドはすでに個人合意に至り、バイアウト条項の行使へと動いているとも報じられており、獲得実現の可能性は低くない。
そうした背景を踏まえれば、経験とコストパフォーマンスを兼ね備えたウィルソンの存在は、なおさら現実的な選択肢として浮かび上がってくる。
今後数週間のうちに、ウィルソンがニューカッスルとの関係を清算し、新天地へと旅立つ可能性は高まっている。エバートンか、それともリーズか。ベテランストライカーの決断は、プレミアリーグの移籍市場における一つの指標となるかもしれない。