劇的なプレーオフを制し、8年ぶりにプレミアリーグの舞台へと戻ってきたサンダーランドAFC。新たな挑戦を迎える前に、あの希望の光が再び差し込むかもしれない。マンチェスター・ユナイテッドの若きアタッカー、アマド・ディアロの名前が話題の中心に浮上している。
ついに悲願のプレミアリーグ昇格を手にしたブラック・キャッツだが、トップリーグでの生存競争は決して甘くはない。実力者たちがひしめく舞台で戦い抜くためには、補強が不可欠。そしてクラブが狙いを定めているのが、過去にサポーターの心を掴んだ男、アマド・ディアロだ。
2シーズン前、レンタルでサンダーランドに加入したアマド・ディアロは、当時のチャンピオンシップで文字通りの旋風を巻き起こした。公式戦で14ゴールを叩き出し、チームを6位フィニッシュ、そしてプレーオフ進出へと導いた若きウインガーは、わずか1年でファンのハートを鷲掴みにしてしまった。
その後、ユナイテッドに復帰したアマドは“夢のクラブ”での挑戦を続けており、今季はルベン・アモリム監督の下で存在感を示している。今季の成績は43試合で11ゴール9アシストと、攻撃陣の中で際立った数字を残しているのは明白だ。
『Transfermarkt』によると、現在の市場価値は約4000万ユーロ。サンダーランドにとってはクラブ史上最高額の移籍金を大きく上回るものであり、獲得は容易ではない。それでも、クラブ内外から高まるアマド再獲得論は現実味を帯びつつある。
『225foot.com』は、サンダーランドが今夏の移籍市場でアマドの獲得に向けて動いていると報じている。完全移籍だけでなく、ローンによる再加入という選択肢も視野に入れており、既に代理人サイドやマンチェスター・ユナイテッドとの接触が始まっているとされる。
もちろん課題は山積だ。ディアロは2025年1月、2030年までの長期契約を結んだばかりで、クラブ側も高く評価している。アモリム監督の下で戦術的にも重要なピースとされており、放出の可能性は低い。
しかし、マンチェスター・ユナイテッド自体も混沌とした状況にある。INEOSグループによる新体制が始動し、大規模なスカッド再編が噂される中、適正なオファーが届けば、ほぼすべての選手に耳を傾けるとの報道も後を絶たない。
さらに、イタリアの名門ACミランもディアロに興味を示していると報じられており、争奪戦に発展する可能性もある。それでもサンダーランドは、この夏を「勝負の夏」と位置づけ、ディアロ獲得に向けて全力を尽くす構えを見せている。
サポーターにとって、アマド・ディアロの再加入は単なる補強ではない。彼との再会は、夢と希望、そしてあの熱狂が再びスタジアムを包むことを意味している、現実的には厳しい交渉となるのは間違いない。だが、それでもサンダーランドは諦めないだろう。