2025年夏の移籍市場を揺るがす可能性がある、クリスティアーノ・ロナウドを巡る驚愕の展開が報じられている。舞台はサウジアラビア、しかし火種はプレミアリーグから持ち込まれた。
40歳となった今もなお、圧倒的なゴール嗅覚とフィジカルを誇るポルトガルの英雄クリスティアーノ・ロナウド。2022年末にマンチェスター・ユナイテッドを去り、サウジアラビアのアル・ナスルに加入して以来、これまで公式戦111試合で99ゴールを叩き出してきた。今季もサウジ・プロリーグで30試合25得点と、その存在感に陰りは見られない。
しかし、今季終了を目前に控えたタイミングで、ロナウドは「この章は終わりだ。物語はまだ書かれている途中。すべてに感謝している」と、意味深な投稿をX(旧Twitter)に残している。
この発言はアル・ナスル退団を示唆しているのではないかと世界中で話題に。すると、そんなロナウドに対して浮上したのが、ブラジルの名門ボタフォゴからの“異例の移籍オファー”だ。
驚くべきはその内容である。ボタフォゴの背後には、イングランド・プレミアリーグのクリスタル・パレス共同オーナー、ジョン・テクスター氏が控えており、なんとロナウドに対して「自身のクラブ所有権の一部」を譲渡するという提案を行ったという。
この情報を伝えたのは信頼度の高いブラジル人ジャーナリスト、ホルヘ・ニコラ氏。報道によれば、テクスター氏率いるイーグル・フットボール・ホールディングスが保有する株式の一部をロナウドに提供し、ボタフォゴでプレーすること、さらにはクラブ・ワールドカップの舞台に立つことを呼びかけているとのことだ。
ロナウドに対しては、現在所属するアル・ナスルも巨額の延長オファーを提示しているとされる。その額、月額1650万ユーロ(約28億円)。サッカー選手としては破格の条件だ。だが、ボタフォゴからの提案は“金銭”ではなく、“資産”という形でアプローチしている。
ニコラ氏は「クラブの一部所有権」というインセンティブが、経済的にはアル・ナスルの条件に匹敵し、長期的な魅力を備えていると指摘している。
実際、テクスター氏はボタフォゴの他にも、リヨン(フランス)、モレンベーク(ベルギー)、FCフロリダ(アメリカ)など複数クラブを保有しており、ロナウドにとっては単なる選手としての移籍ではなく、「クラブオーナーとしての未来」も視野に入れた決断となる可能性がある。
ブラジル国内では、ロナウドがクラブW杯の舞台にボタフォゴの選手として立つことを待望する声も多く、同クラブのレナト・パイヴァ監督も質問に対し、「クリスマスは12月だが…スター選手にノーとは言えない」とのコメントしている。
さらに「年齢を重ねても彼は点取り屋であり、チャンスを創出できるチームにおいては依然として重要な存在」とし、ロナウドの得点力に賛辞を送った。
他クラブも獲得に動く中…「クラブ所有権」という破格の切り札
もちろん、ロナウドの去就に注目しているのはボタフォゴだけではない。メキシコのモンテレイやアルゼンチンのボカ・ジュニアーズも関心を示しているとされ、南米での争奪戦が現実味を帯びてきた。
だが、「クラブの所有権」という切り札を持つボタフォゴのオファーは、他クラブの提示する条件とは明らかに一線を画している。果たしてロナウドは、目の前に差し出された“経営側”の扉を開くのだろうか。
近年、選手からクラブ経営にシフトする動きは珍しくなくなりつつあるが、現役選手に対してそのような提案がなされるのは極めて異例だ。サッカー界の象徴とも言えるロナウドが、この破格の提案にどう応えるのか。