今夏の移籍市場が近づく中、欧州各地で将来を嘱望される若手選手たちに注目が集まり始めている。その中でも今、最もホットな名前の一人が、ASモナコに所属するマグネス・アクリウシェだ。
23歳のアタッキングミッドフィールダーは、2024-25シーズンにおいて公式戦で8ゴール12アシストを記録し、その才能を大きく開花させた。攻撃の中心としてチームに多大な影響を与えたアクリウシェは、既にプレミアリーグやリーグ・アン、さらにはブンデスリーガの複数クラブがリストアップしている注目株である。
モナコといえば、キリアン・エムバペやベルナルド・シウバ、ファビーニョ、そして近年ではチュアメニやバディアシルなど、数々のタレントを輩出してきた育成に定評のある名門。クラブの財政戦略としても、選手を高額で売却するビジネスモデルが確立されており、アクリウシェもまた、その流れに乗る存在と見られている。
今季の躍進によって評価を高めたアクリウシェに対し、リバプールを筆頭に、マンチェスター・ユナイテッド、マンチェスター・シティ、ニューカッスル、トッテナム、ノッティンガム・フォレストといったプレミア勢が水面下で動向を注視。
さらには、フランス王者パリ・サンジェルマンも関心を示しているが、モナコは国内クラブへの売却を避ける傾向が強く、国外移籍の可能性が高いとされる。
現段階ではいずれのクラブも正式オファーには至っていないものの、代理人レベルでの打診は既に行われており、争奪戦の本格化は時間の問題と見られている。
移籍金は最大€70m…リバプールの本気度が問われる夏になるか
マグネス・アクリウシェの獲得において最大の障壁となるのが、その移籍金だ。英『CaughtOffside』の報道によれば、モナコは彼に対して6000万〜7000万ユーの値札を設定しているという。
彼の年齢、成績、そしてポテンシャルを考慮すれば、妥当な評価との見方もあるが、この金額を即決できるクラブは限られる。さらに、多くのクラブが興味を示していることから、オファー合戦によって金額がさらに跳ね上がる可能性も否定できない。
リバプールとしては、アルネ・スロット監督の下で本格的な移行をスタートさせる今夏、積極的な補強が予想されている。しかし、前線には既にサラー、ディアス、ジョタ、ガクポ、ヌニェスといった主力が揃っており、アクリウシェにとって出場機会がどれほど保証されるかは未知数だ。
一方、レバークーゼンのフロリアン・ヴィルツなど、リバプールは注目するタレントと交渉を進めており、限られた移籍予算の中で優先順位の見極めが求められる。特にヴィルツの獲得には1億ポンド近い投資が必要とされ、クラブの決断には大きな覚悟が必要になるだろう。
スカウト部門責任者リチャード・ヒューズの手腕が窺い知れる今夏の移籍市場で、リバプールがどのような戦略を描くのか。その答えの一つが、マグネス・アクリウシェ獲得に動くか否かにかかっている。