エバートン、ビジャレアルの空中戦の覇者ティエルノ・バリーに関心か…巨額の移籍金が交渉の行方を左右

エバートン、ビジャレアルの空中戦の覇者ティエルノ・バリーに関心か…巨額の移籍金が交渉の行方を左右 Everton

熾烈な残留争いを経てプレミアリーグ13位でフィニッシュしたエバートンが、今夏の移籍市場で本腰を入れて新ストライカーの補強に動き出している。英『TEAMtalk』によると、ビジャレアルに所属するフランス人FWティエルノ・バリーがターゲットに浮上しているようだ。

過去数シーズン、期待されたヨーロッパの舞台から遠ざかっていたエバートンだが、シーズン途中に就任したデイヴィッド・モイーズ監督の下で徐々に立て直し、最終節にはマンチェスター・ユナイテッドやトッテナム・ホットスパーを上回る形で13位に滑り込んだ。今後はクラブの新オーナーがモイーズ体制を強力にバックアップするとされており、補強の目玉は前線だ。

ドミニク・キャルバート=ルーウィンが今月末で契約満了を迎え、退団が濃厚となる中で、現ストライカーのベトとポジションを争える強力な一枚が求められている。リアム・デラップのチェルシー移籍が既定路線となったことで、新たな選択肢として注目されているのが、ラ・リーガで躍動したティエルノ・バリーである。

“第2のドログバ”か、それとも一発屋か…エバートンは賭けに出るのか

22歳のバリーは、195cmという恵まれた体格を活かし、空中戦やポストプレーに定評のある典型的なターゲットマン。スピードと機動力も兼ね備えており、モイーズ監督の戦術にフィットするストライカー像にぴたりと合致する。

ソショー、ベフェレン、バーゼルを経て、昨夏にはおよそ1300万ポンドでビジャレアルへと加入。デビューシーズンにしてラ・リーガで11ゴール4アシスト、公式戦トータルでは19ゴールと結果を残し、クラブのチャンピオンズリーグ出場権獲得に大きく貢献した。

すでにエバートンはビジャレアルに対してバリーの状況を問い合わせており、正式オファーに向けた準備を進めているとも報じられている。ただし、移籍実現には一つ大きな障壁が立ちはだかる。ビジャレアルはバリーに対して4000万ユーロの契約解除条項を設定しており、1シーズンのみ欧州主要リーグでプレーした選手としては極めて高額だ。

もっとも、エバートンはデラップ獲得に3000万ポンド規模の資金を投じる用意があったとも言われており、交渉の余地がまったくないわけではない。ビジャレアル側も「いかなるオファーも評価する」との立場を取っており、今後の提示額次第では交渉が進展する可能性は十分ある。

なお、エバートンはバリー以外にも複数のFWをリストアップしており、その中にはシュトゥットガルトの大型ストライカー、ニック・ヴォルテマーデの名前も含まれている。198cmのヴォルテマーデはブンデスリーガで17得点を記録し、ドイツ代表にも招集された逸材。移籍金は2000万ユーロ前後が想定されており、バリーよりも現実的なオプションとなるかもしれない。

今夏、エバートンは強化部の眼力と懐具合を問われることになりそうだ。ティエルノ・バリーがグディソン・パークの新たな象徴となるのか、それとも交渉は早々に頓挫するのか。市場の動向から目が離せない数週間が続くことになるだろう。