ブンデスリーガで安定したパフォーマンスを続けるフランス人DF、アントニ・カシが、この夏の移籍市場で熱い注目を集めている。マインツ05で主力として活躍した27歳のサイドバックには、複数のクラブが関心を示しており、中でもプレミアリーグのクラブと母国フランスのスタッド・レンヌが本格的な動きを見せていると、仏『Foot Mercato』が伝えた。
今シーズンのカシは、マインツでその多才さを存分に発揮した。本職は左ウイングバックだが、指揮官ボー・ヘンリクセンの下で右サイドやセンターバックでもプレーし、どのポジションでも高いパフォーマンスを維持。ブンデスリーガ33試合に出場し、1ゴール7アシストを記録するなど、攻守において存在感を放った。
この活躍を受けて、彼の市場価値はシーズン当初から倍増し、現在では1,000万〜1,200万ユーロと評価されている。さらに、フランスのオリンピック代表候補としても名が挙がっており、国内外のスカウトからの評価も日に日に高まっている。
スタッド・レンヌは、VfBシュトゥットガルトへ移籍間近とされる右サイドバック、ロレンツ・アッシーニョの後継者としてカシをリストアップ。喫緊の補強ポイントである右サイドにおいて、即戦力としてカシを高く評価している。
また、プレミアリーグからも具体的な関心が寄せられており、リーズ・ユナイテッドとフラムがカシをリストアップ。いずれも守備陣の強化を進めており、そのユーティリティ性と経験値の高さは、イングランドのフィジカルな環境にも適応可能と見られている。
さらに、ボルシア・ドルトムントも新戦力候補として注視していると報じられており、欧州複数クラブによる争奪戦が現実味を帯びてきた。
アントニ・カシとマインツの契約は2026年夏まで残されているが、クラブ側は延長を打診しているとも報じられている。ただし、本人の評価が急上昇している今、マインツとしても好条件での売却を検討する可能性は否定できない。
両サイドでのプレー経験に加え、センターバックとしても信頼を勝ち取ってきたカシ。現代フットボールにおいて非常に価値の高いプレーヤーであり、その存在は各クラブの補強戦略に直結する。スタッド・レンヌが母国への凱旋を実現させるのか、あるいはプレミア勢が資金力で押し切るのか。