プレミアリーグの複数クラブがASモナコに所属するコートジボワール代表DFウィルフリード・シンゴに注目している。24歳のサイドバックは、今季モナコで安定したパフォーマンスを披露し、欧州のビッグクラブから熱視線を浴びる存在となった。
英『Caught Offside』によれば、アーセナル、ニューカッスル・ユナイテッド、トッテナム・ホットスパーの3クラブが、シンゴの動向を注視しており、今後数週間で争奪戦に発展する可能性が高いという。
ウィルフリード・シンゴは、身長1メートル90センチの体格と卓越したスプリント能力を兼ね備える右サイドバック。元々はイタリアのトリノで頭角を現した選手で、そのスピードと攻撃的センスで注目を集めた。現在はフランス・リーグアンのモナコでプレーしており、守備の安定感と前線への推進力を武器にレギュラーの座を掴んでいる。
市場価値はおよそ3500万ユーロと見積もられており、この数字は決して高すぎるわけではない。戦術的な柔軟性と複数ポジションに対応可能な点を考慮すれば、むしろ割安と見る向きもある。
プレースタイルとしては、ウイングバック、フルバック、さらには3バックの一角もこなせるなど、戦術の幅を広げられるタイプ。層の厚さと過密日程への対応が求められる現代サッカーにおいて、このような選手の価値はますます高まっている。
今夏の移籍に関して名前が挙がるのは、アーセナル、トッテナム、ニューカッスルの3クラブだが、それぞれの事情とチーム状況によって、シンゴの加入が持つ意味合いは異なる。
アーセナルでは右サイドにベン・ホワイトとユリエン・ティンバーという有力なオプションがすでに存在する。シンゴの加入は競争力を高める意味では理想的だが、ファーストチームでの出場機会を確保できるかは不透明だ。
一方で、トッテナムもペドロ・ポロやデスティニー・ウドジェといった主力が定着しつつあるものの、ヨーロッパカップ戦の出場権を獲得した今、ローテーションを含めたスカッドの強化が必要になる。守備的な安定感に加えて、攻撃でも違いを作れるシンゴは、その穴を埋める駒として理想的な補強になり得る。
最も現実味を帯びているのがニューカッスル・ユナイテッドだ。キーラン・トリッピアーが34歳を迎え、ティーノ・リヴラメントもフル稼働にはやや不安が残る中で、シンゴは即戦力として、さらには長期的なレギュラー候補として期待される存在だ。
エディー・ハウ監督の下、フィジカルとインテンシティを重視するニューカッスルのスタイルに、シンゴのプレースタイルはまさにフィットする。チャンピオンズリーグとプレミアリーグを並行して戦う来季に向けて、彼のようなダイナミックなDFは喉から手が出るほど欲しいピースとなるはずだ。
欧州勢も動向注視…シンゴを巡る争奪戦の行方は?
シンゴに関心を寄せているのはプレミアリーグ勢だけではない。アトレティコ・マドリードやナポリといった欧州の強豪クラブもその状況を静かに見守っていると報じられている。しかし、資金力とリーグの競争力を考慮すれば、プレミアリーグのクラブが争奪戦を優位に進める可能性は高い。
3500万ユーロという評価額は、将来的なリターンを見越せば十分に合理的な投資と言えるだろう。ユーティリティ性、フィジカルの強さ、戦術的理解度の高さという三拍子が揃ったシンゴは、まさに「プレミア向き」の選手だ。
この夏、彼がどのクラブのユニフォームに袖を通すのか。その決断は、いずれのクラブにとっても、来季の戦力構想を左右する重要な一手となる。アーセナル、トッテナム、ニューカッスルの中で、誰がこの逸材DFの未来を手に入れるのか。