チェルシーに所属する22歳のウインガー、ノニ・マドゥエケを巡り、この夏の移籍市場で熾烈な争奪戦が勃発する兆しを見せている。
関心を寄せるのは、プレミアリーグで急成長を遂げるニューカッスル・ユナイテッド、そしてイタリアの強豪ACミラン。いずれもマドゥエケを重要な補強ターゲットとしてリストアップしており、交渉の舞台裏ではすでに水面下で動きが進行中だ。
英『CaughtOffside』の報道によれば、ニューカッスルはすでにチェルシーへ正式な打診を行っており、獲得に向けた道筋を模索しているという。指揮官エディ・ハウはマドゥエケのスピードとドリブル能力を高く評価しており、アンソニー・ゴードンとの共存も視野に入れている。
かつてチェルシーを率いたフランク・ランパードも、「1対1においてはプレミアでもトップクラス」と絶賛していた逸材。その潜在能力に疑いの余地はなく、ニューカッスルにとっては今後の躍進を後押しする切り札になり得る存在だ。
今季はカラバオカップ優勝やチャンピオンズリーグ出場を果たし、確実にステップアップを遂げているニューカッスルだが、さらなる上位進出を狙うためには質の高い攻撃陣の補強が不可欠。マドゥエケの加入は、その目論見にぴたりと合致する。
一方で、障害となるのは移籍金だ。ニューカッスルは4000万〜4200万ユーロを想定しているが、チェルシー側は6000万ユーロ前後を要求しており、両者の間には大きな開きがある。
レオン後任に白羽の矢、ミランも虎視眈々とチャンスを狙う
ニューカッスルだけではない。セリエAの名門ACミランもまた、ノニ・マドゥエケに強い関心を示している。
背景にあるのは、エースのラファエル・レオンの去就問題だ。チェルシーを含む複数のビッグクラブがレオンに目をつけており、ミランとしては代役確保が急務となっている。その候補として白羽の矢を立てたのが、まさにマドゥエケだった。
西『Fichajes』によれば、来季から指揮を執るマッシミリアーノ・アレグリ新監督のシステムにおいて、マドゥエケは理想的なウインガーと評価されている。また、彼の加入により、今季右ウイングでプレーしていたクリスチャン・プリシッチを本職である左に戻すことができ、チーム全体の攻撃バランスも整うという。
ミラン側もおおよそ4000万ユーロでの交渉を想定しているが、チェルシーの高額な要求額をどう捉えるかが鍵となるだろう。
チェルシーとしては、今すぐにマドゥエケを放出する必要はないと見られている。だが、クラブがブラジルの新星エステバオ・ウィリアンを獲得し、さらに今夏もウイングの補強を検討している現状を踏まえると、マドゥエケの出場機会は徐々に限られていく可能性もある。
また、ムドリクの出場停止問題やスターリングの去就など、ウイング陣の競争は激化の一途をたどる。こうした状況下で、マドゥエケが自身のキャリアをどう考えるかにも注目が集まる。