再びノッティンガムと取引か…リヨンがGKターナー&MFダニーロに照準! DNCGの審査結果が鍵を握る

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Nottingham Forest

フランスの名門オリンピック・リヨン(OL)が、再びプレミアリーグのクラブと大型交渉に乗り出そうとしている。今度の相手は、昨年に続きノッティンガム・フォレストだ。注目されているのは、米国代表GKマット・ターナーとブラジル人MFダニーロの2選手で、両者合わせて移籍金は総額3000万ユーロと、仏『L’Équipe』が報じている。

昨夏にはムサ・ニアカテとオレル・マンガラという即戦力を獲得し、合計6000万ユーロという大型補強を敢行したOL。その取引の裏にいたのが、クラブを束ねるジョン・テクスター会長だ。彼が率いるEagle Footballグループは、複数クラブを横断的に経営する“マルチクラブオーナーシップ”の先駆者として知られ、ノッティンガム・フォレストとの連携も、ある種その延長線上にある。

今回の動きも、その延長線上に位置付けられている。ノッティンガム・フォレストは、すでにOLが保有するイゴール・ジェズスとジャイル・クーニャという若手2選手に約3500万ユーロを投じる構えを見せており、両クラブ間の資金移動は、まるでグループ内のポートフォリオ調整のようだ。

ダニーロとターナー、2人の補強ターゲットに見るリヨンの意図

まず、ダニーロに関しては、24歳のブラジル人ミッドフィルダーとして将来性もあるが、昨季のプレミアリーグ出場はわずか8試合にとどまった。負傷の影響もあり、本来の実力を発揮できなかったシーズンとなったが、それでもリヨン側は高く評価を続けており、ファブリツィオ・ロマーノ氏も交渉が大詰めに差し掛かっていると報じている。

そしてもう一人、より注目を集めているのがマット・ターナーだ。現在30歳の彼は、米国代表としての実績を誇り、昨季はノッティンガムからクリスタル・パレスへレンタル移籍していた。リヨンとしては、ルカ・ペッリのバックアップを求めているが、この獲得には単なる戦力補強を超えた意図が見え隠れしている。

アメリカ出身のテクスター会長にとって、ターナーのようなアメリカ市場に訴求力のある選手の加入は、2026年W杯を見据えたマーケティング戦略の一環でもある。しかし一方で、成長著しい若手GKマテュー・パトゥイエの出場機会を奪うリスクもあり、クラブ内でのバランスには注意が必要だろう。

この移籍が成立するためには、決定的な障害を乗り越える必要がある。それが、フランスサッカーの財政健全化を担うDNCGによる制裁解除だ。OLは現在、DNCGから移籍禁止処分を受けており、6月24日に予定されている審査結果次第では、すべての交渉が水泡に帰す可能性もある。

だが、Eagle Football全体としての投資やノッティンガム側からの資金流入が好材料と見られており、テクスター会長も制裁解除を視野に入れた上で動いていると考えられる。仮に制裁が解除されれば、ターナーとダニーロのダブル獲りに加え、さらなる動きが続く可能性もありそうだ。

リヨンの補強方針、ノッティンガムとの関係、そしてDNCGの判断。これらが交錯する今回の交渉は、単なる2選手の獲得話にとどまらない。クラブ運営の在り方や欧州サッカー界におけるマルチクラブオーナーシップのあり方を象徴する、極めて示唆に富んだケースとなりそうだ。

果たしてリヨンは再びノッティンガムとのビジネスに成功するのか。そして、ターナーとダニーロはフランスの地で新たな挑戦に乗り出すのか。すべての鍵は、6月24日のDNCGの発表に委ねられている。