トッテナム、再びスカンジナビアに熱視線…デンマークの19歳MFヴィクター・フロホルト獲得レースに参戦

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Tottenham Hotspur

ヨーロッパリーグを制し、来季のチャンピオンズリーグ出場権を手にしたトッテナム・ホットスパー。だが、今季のスカッドには一貫性や経験値に欠ける側面があり、改善が求められている。

そんななか、ロンドンのクラブはスカンジナビア市場に再び照準を合わせ、FCコペンハーゲンに所属するデンマークの若手MFヴィクター・フロホルトに強い関心を示していると、独『Sky Sport Germany』フロリアン・プレッテンベルク記者が伝えた。

この19歳のボックス・トゥ・ボックス型ミッドフィルダーには、バイエル・レバークーゼンやアイントラハト・フランクフルトといったドイツ勢も熱視線を送っており、今夏の移籍市場における注目銘柄のひとりとなっている。

ヴィクター・フロホルトは、FCコペンハーゲンのアカデミー出身で、2023年夏にトップチーム昇格を果たすと、瞬く間に中盤の主力に定着。2024/25シーズンは公式戦53試合に出場し、6得点5アシストという数字を残してチームのリーグ制覇とデンマークカップ優勝に貢献した。

中盤を主戦場としながら、左右のワイドでも柔軟にプレーできるユーティリティ性を備えるこの若者の特筆すべきは、圧倒的な走力と運動量だ。地元メディアはそのスタミナを “走る怪物(running monster)” と称し、プレースタイルは90分間絶えずピッチを駆け回るエンジンそのもの。

データ面でも彼の万能性は裏打ちされている。90分あたりのプログレッシブキャリー2.56回、タックル3.04回、空中戦勝利1.60回など、攻守両面で貢献度の高い数値を記録しており、すでにデンマークA代表デビューも飾っている。

今夏の移籍市場において、コペンハーゲンはこの才能溢れるMFをクラブ史上最高額で放出する構えを見せており、契約は2028年まで残っていることから、交渉には相当な資金が必要になることは間違いない。

若手中心の補強戦略を継続するトッテナム、その中で問われるバランス感覚

トッテナムは近年、若手の青田買いに注力しており、昨夏はスウェーデンのルーカス・ベリヴァルやイングランドのアーチー・グレイを獲得。彼らは困難なシーズンのなかで将来性を感じさせるプレーを披露しており、クラブの補強方針に間違いはなかったと評価されている。

フロホルトに関しても、トッテナムは実は1年前にオファーを提示したものの、拒否された経緯がある。しかし今夏はクラブ側も売却に前向きとされ、再度のアプローチを行っているようだ。選手自身もベリヴァルの成長やステップアップの例に刺激を受け、ロンドン移籍に魅力を感じる可能性がある。

ただし、懸念がないわけではない。すでに中盤にはベリヴァル、グレイ、そしてパペ・マタル・サールといった10代後半〜20代前半の有望株がひしめいており、これ以上の若手流入は出場機会の分散やタレント渋滞を招くリスクも孕む。

経験値を持つ即戦力の中盤補強も急務とされているなか、フロホルトのように育成が前提となるタレントに予算と枠を割くことが、果たして適切なのかという議論も内部で浮上しているようだ。

監督人事が宙に浮いている現状では、クラブとしての明確な方向性が問われる。だが、スカンジナビア市場からの発掘に一定の成功を収めているトッテナムにとって、フロホルトは無視できないターゲットとなっている。