2025年夏の移籍市場が本格化する中、アーセナルがノルウェー代表のレフティ、アントニオ・ヌサに関心を寄せているとの報道が浮上した。これは、ベンヤミン・セスコの獲得交渉が進行中である中での動きであり、クラブとして攻撃陣にさらなる選択肢を加えようとする明確な意志の表れでもある。
クラブ関係者はこの若きウインガーに強い関心を示しており、彼のポテンシャルと汎用性に着目している。セスコとの交渉が落ち着き次第、本格的なアプローチに転じる構えだ。
2024-25シーズン、アントニオ・ヌサはRBライプツィヒの一員として公式戦9ゴール7アシストを記録。左右両サイドに対応できるウインガーとして評価を高め、ノルウェー代表としても出場15試合の経験を積むなど、国際舞台でも確かな実績を残している。
アーセナルにとって彼の加入は、マルティネッリやトロサールといった現有戦力の競争を促し、攻撃の厚みを加える上で大きな意味を持つだろう。近年、ゴール前での精度やコンビネーションに課題を抱えていた同クラブにとって、ヌサのようにドリブル、パス、決定力をバランス良く備えた選手はまさに理想的な補強と言える。
さらに、ヌサはまだ20歳という若さながらもクラブキャリア通算130試合以上の出場経験を誇り、プレッシャーのかかる試合での落ち着きと判断力はすでに成熟の域に達している。将来性と即戦力の両面を併せ持つこのノルウェー代表は、アルテタ監督が掲げるスタイルとも親和性が高く、システムにスムーズにフィットする可能性も高い。
英『CaughtOffside』によれば、ヌサに対する関心はアーセナルに限った話ではない。チェルシー、ニューカッスル、アストン・ヴィラ、さらにはセリエAのナポリまでもが動向を注視しているとされ、今後の数週間で移籍レースが加速するのは間違いない。
特にチェルシーは、今夏にジェイドン・サンチョがマンチェスター・ユナイテッドに復帰するため、再びアタッカーの補強に動く構えを見せている。過去にペドロ・ネトやムドリクといった選手を高額で獲得したが、いずれも安定感を欠いたことで、新たな解決策としてヌサに目を向けている模様だ。
現段階でRBライプツィヒが設定している移籍金はおよそ4500万ユーロ。これはクラブにとっての即時戦力としてだけでなく、将来的な投資対象としても魅力的な金額だ。とはいえ、セスコ獲得が第一優先とされるアーセナルが、どのタイミングでヌサに正式なオファーを提示するかが一つの焦点となる。
ヌサは昨夏クラブ・ブルージュからライプツィヒに加入したばかりだが、短期間で目覚ましい成長を遂げ、再び移籍市場での注目銘柄となっている。その動向はファブリツィオ・ロマーノ氏やベン・ジェイコブス氏といった著名ジャーナリストも注目しており、今夏のマーケットを揺るがす可能性がある。