今夏の移籍市場が本格化する中、プレミアリーグに所属するノッティンガム・フォレストが大胆な動きを見せている。特に攻撃陣の再構築において、クラブはノリッジ・シティで輝きを放ったウインガー、ボルハ・サインスの獲得に向けて本腰を入れており、1300万ポンド(約25億円)という巨額のオファーを提示したと報じられている。
ノリッジ・シティでの活躍が際立ったスペイン人ウインガー、ボルハ・サインス。昨季のチャンピオンシップでは41試合に出場して18ゴール4アシストを記録し、ゴール数ではリーグ2位をマーク。1試合あたりの平均ゴールは0.45と非常に効率的で、決定率は15%を超えるなど、前線での決定力の高さが際立っていた。
フォレストは、すでにFCポルトが提示している入札に並ぶ形で正式オファーを提出した模様。ノリッジ側は慎重に検討しており、交渉の行方は予断を許さない状況だ。さらに、スペインの強豪アスレティック・ビルバオも、ニコ・ウィリアムズの後継者としてサインスに関心を示しており、争奪戦は激化している。
すでにフォレストには、ハドソン=オドイ、エランガ、ジョタ・シルヴァといった実力者が揃っているが、さらなる得点力と創造性を加えるため、サインスのような爆発力あるウインガーの加入が求められている。特に来季、ヨーロッパカップ戦出場の可能性を視野に入れるのであれば、こうした即戦力の補強は不可欠だ。
攻撃陣に注目が集まる一方で、守備面でも補強の必要性が高まっている。特に左サイドバックのポジションでは、今月末で契約満了となるハリー・トフォロの退団が確定。2022年に加入した同選手は、プレミアリーグ出場が昨季わずか4試合にとどまっていたこともあり、退団は既定路線と見られていた。
フォレストは、すでにアトレティコ・マドリード所属のヘイニウド・マンダーヴァに対してフリー移籍でのアプローチを開始したとの報道もあり、左サイドの補強に動いていることが明らかとなっている。
ヘイニウドは、クラブ・ワールドカップ終了後にアトレティコを離れる見通しで、サンダーランドやリーズ、さらには中東やトルコ勢からも関心が寄せられている中で、フォレストが交渉をどこまでリードできるかが鍵となる。
このほかにも、クラブは南米の有望株に400万ポンドのリリース条項で関心を示しており、アンソニー・エランガが移籍した場合の代役探しも進めている模様。また、週給の高い選手数名の売却にも合意し、財政面での再編にも着手している。
攻守においてピッチ上の強化を進めながら、経営バランスにも目を配るノッティンガム・フォレスト。彼らの野心は、プレミアリーグでの安定した戦いにとどまらず、より高いステージでの挑戦を見据えているように映る。今後の移籍市場での動向は、フォレストの来季を大きく左右することになるだろう。