トッテナムが狙うウクライナの新星ヴラディスラフ・ヴァナト…熾烈な争奪戦の行方は?

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プレミア勢が熱視線…ウクライナの若き点取り屋ヴァナト、U21欧州選手権で輝きを放つ! Arsenal

2025年夏の移籍市場が本格化する中、プレミアリーグの各クラブは将来を担う逸材の確保に動きを見せている。その最前線に立っているのが、北ロンドンに拠点を置くトッテナム・ホットスパーだ。アンジェ・ポステコグルー体制に別れを告げ、ブレントフォードから招へいしたトーマス・フランク新監督の下、スパーズは来季に向けた攻撃陣の再構築に本腰を入れている。

注目のターゲットは、ウクライナの名門ダイナモ・キエフに所属するヴラディスラフ・ヴァナト。23歳の若きストライカーは、今季のリーグ戦で21ゴール9アシストという圧巻の成績を記録し、欧州各国のスカウト陣の視線を一身に集めていると、英『TBR Football』が報じた。

しかし、トッテナムの関心だけではない。マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、チェルシー、さらにはニューカッスルやリーズ・ユナイテッドといった国内の複数クラブも、ヴァナトの獲得に興味を示しており、争奪戦は熾烈を極めそうだ。

トッテナムがストライカーの補強を急ぐ背景には、既存戦力の不安定さがある。昨夏にボーンマスから加入したドミニク・ソランケは、序盤こそ健闘したものの、シーズン後半にはコンディションの波に苦しみ、フル稼働には至らなかった。一方、リシャルリソンもケガやパフォーマンスの波に悩まされ、今夏には国外クラブへの移籍の可能性が取り沙汰されている。

そんな中で白羽の矢が立てられたのが、ヴァナトだ。プレースタイルは、前線での鋭い動き出しとフィニッシュ精度の高さが際立ち、味方との連携にも長けたストライカー。

U-21欧州選手権では、初戦のデンマーク戦でこそ無得点に終わったものの、次戦のフィンランド戦ではゴールを狙う動きで攻撃陣をけん引。大会後半に向けての巻き返しが期待されている。

新たにチームを率いるフランク監督は、ブレントフォード時代にも若手の成長を促すマネジメント力に定評があり、ヴァナトのような潜在能力の高い選手を手元で育て上げることに強い関心を持っているとされる。

とはいえ、ウクライナリーグとプレミアリーグではスピード、フィジカル、プレッシャーの強度に大きな差がある。その適応には時間がかかることも予想されるが、クラブ側は腰を据えて長期的に育成する意向を持っているという。

何より、ヴァナトが見せた21得点という数字は、単なる一過性のブレイクではなく、確かな資質を証明する実績に他ならない。

移籍金の面では、ダイナモ・キエフ側が要求する約2500万ユーロの評価額に対して、トッテナムは支払いに応じる用意があると報じられており、あとは選手本人の意向と他クラブとの駆け引きが鍵を握ることになる。

すでに争奪戦の火蓋は切られており、スパーズが本気でこの逸材を手中に収めたいのであれば、迅速な行動と説得力のあるプロジェクト提示が不可欠だ。ヴァナトの決断次第では、この夏の移籍市場で最大のサプライズが北ロンドンから生まれるかもしれない。