プレミアリーグからの降格という現実を突きつけられたレスター・シティ。2025-26シーズンをチャンピオンシップで迎えるクラブにとって、ステフィー・マヴィディディの去就は最優先の課題のひとつだ。
攻撃の要として昨季は印象的なパフォーマンスを披露したこの27歳アタッカーに対し、欧州の複数クラブが関心を示しており、キング・パワー・スタジアムでの未来は不透明感を増している。
2023年の夏、モンペリエから加入したステフィー・マヴィディディは、エンツォ・マレスカの下で新たなキャリアを歩み始めた。レスターがチャンピオンシップを制し、1年でのプレミア復帰を果たす原動力となった彼の存在感は、まさに攻撃の中心そのものだった。
2023-24シーズンのチャンピオンシップでは、46試合に出場し12ゴール6アシストを記録。スピードとダイレクトな突破力を武器に、何度も試合の流れを変える場面を演出してきた。
しかし、復帰したプレミアリーグではチーム全体が苦戦。マヴィディディ自身も4月に筋肉を痛めて以降は離脱を余儀なくされ、最終的に30試合で4ゴール1アシストと、満足のいく数字を残すには至らなかった。
それでも、ピッチに立てば常に違いを生み出すタイプの選手であることに変わりはない。対人プレーでの駆け引き、ボールを持った際の創造性、そして何よりその爆発的な加速力は、観る者を魅了し続けている。
セリエA、ラ・リーガも注視…加熱する争奪戦とレスターの苦悩
そんなマヴィディディに対して、関心を寄せているのはイングランド国内のクラブだけではない。ジャーナリストのピート・オローク氏によれば、セリエAのアタランタやボローニャ、そしてラ・リーガのビジャレアルなどが具体的な動きを見せているという。
いずれも欧州大会を見据えるクラブであり、チームの補強ポイントとして彼のような即戦力ウィンガーを必要としている。
レスターとしては当然引き留めを目指したいところだが、現状は困難を極めている。降格による収益減、新たに就任が噂されているルート・ファン・ニステルローイの不透明な去就、さらには財政上の懸念からポイント剥奪の可能性も報じられており、クラブを取り巻く状況は決して楽観視できない。
さらに、プレミアリーグからの転売益確保も狙って一部主力の売却が避けられないと見られており、マヴィディディの移籍は現実味を帯びつつある。欧州の舞台で戦いたいという野心を持つ選手にとっても、レスターに残るメリットは乏しいのかもしれない。
とはいえ、クラブがチャンピオンシップでの再スタートを切る上で、彼のようなタレントを失うことは大きな痛手。代役の確保を含め、クラブ内部ではすでに複数のシナリオが検討されているはずだ。