プレミアリーグ各クラブが、またしても新たな金の卵に目を光らせている。今回ターゲットとなっているのは、ウクライナ代表U-21にも名を連ねる23歳のセンターバック、アルセニー・バタホフだ。トルコのトラブゾンスポルに所属する若きディフェンダーに対し、イングランド国内の複数クラブが水面下で獲得を検討していると、英『TBR Football』が報じた。
今夏の移籍市場でバタホフに関心を示しているのは、クリスタル・パレス、ブレントフォード、フルアム、そしてブライトンの4クラブ。また、過去にはトルコの名門ガラタサライも同選手の動向を追っていたことがあるとされる。
ウクライナ国内リーグのゾリャ・ルハーンシクで頭角を現した後、2023年夏にトラブゾンスポルへとステップアップを果たしたバタホフ。レギュラーとは言い難かったものの、2024-25シーズンには全コンペティションで23試合に出場し、計2,025分間のプレー時間を記録。守備の要として奮闘する中で、ディフェンダーながら2ゴール1アシストと攻撃面でも印象的な数字を残した。
近年、ウクライナはヘオルヒー・スダコフやミハイロ・ムドリク、イリア・ザバルニーといった逸材を次々と欧州に送り出してきたが、バタホフもまた、彼らに続く存在として注目されている。身体能力と足元の技術、そしてビルドアップ能力を兼ね備えた現代的なセンターバックであり、プレミアリーグの高いテンポにも順応できると見られている。
特にクリスタル・パレスは、マルク・グエイの去就が不透明な状況にあり、後継者探しが急務となっている。その中でバタホフは現実的なターゲットとしてリストアップされており、今夏の移籍動向に大きな影響を与える可能性がある。
一方でフルアムについては、すでにヨアヒム・アンデルセン、カルビン・バッシー、そしてイッサ・ディオプという盤石のセンターバック陣を擁しており、なぜ新たなDF補強に乗り出しているのかは明確ではない。それでもバタホフが穴埋め要員としてではなく、長期的な戦力と見なされていることは、彼の評価の高さを物語っている。
ブレントフォードやブライトンも、若手育成と高いスカウティング力で知られるクラブだ。近年の補強戦略を見れば、彼らがバタホフのような潜在能力の高い選手を見逃すはずがなく、早い段階で動きを見せる可能性も十分にある。
バタホフは今後、UEFA U-21欧州選手権でさらにスカウトたちの視線を浴びることになる。今大会でのパフォーマンス次第では、彼の市場価値が一気に跳ね上がり、プレミアリーグ移籍の実現が加速するかもしれない。
トラブゾンスポルでの成長を遂げたウクライナの新星が、次なるキャリアの舞台として選ぶのはイングランドなのか。それとも、他の欧州クラブが牙を剥くのか。今夏の移籍市場で、アルセニー・バタホフの名前が飛び交うのは間違いなさそうだ。