2025年夏の移籍市場が活気づくなか、スポルティングCPに所属するスウェーデン代表FWヴィクトル・ギェケレシュ(27歳)が、アーセナル移籍を熱望しているとの報道が広がっている。マンチェスター・ユナイテッドが粘り強くアプローチしていたが、選手本人はCL出場を望んでおり、今夏の去就に大きな注目が集まっている。
ポルトガルに移籍してから驚異的なペースで得点を量産し続けるヴィクトル・ギェケレシュは、同クラブで通算102試合で97ゴール28アシストと圧巻の成績を収めている。その爆発的な得点力にプレミアリーグの複数クラブが注目。中でも、かつての恩師ルベン・アモリムが指揮を執るマンチェスター・ユナイテッドは、早い段階から交渉を進めていた。
しかし、現地メディア『Record』によれば、ギェケレシュの代理人はユナイテッド側に対して「現時点での移籍は望んでいない」と明言。ファブリツィオ・ロマーノ氏も、選手本人がユナイテッド加入に乗り気でないことを認めており、信ぴょう性は高い。
この決断の背景には、来季の欧州カップ戦の有無が影響している。ユナイテッドはプレミアリーグで15位と低迷し、ヨーロッパリーグ決勝でも敗戦。
結果として、来季の欧州大会への出場権を逃してしまった。一方、アーセナルは2位でシーズンを終え、チャンピオンズリーグへの出場が確定。トップレベルでの戦いを求めるギェケレシュにとって、CL出場はキャリアを左右する要素だったようだ。
また、アーセナルには、攻撃陣の強化を進める中で、ギェケレシュを高く評価する声も多く、ロンドンでの新たな挑戦は選手本人にとっても「夢の舞台」となっている。
ギェケレシュの移籍には、スポルティングCPとの関係が影を落としている。選手側は、かつて合意していたとされる6500万ユーロでの移籍に対し、現在クラブが8000万ユーロの高額な移籍金を要求していることに不満を示しているという。
ポルトガルメディアによれば、6000万ユーロ超の正式オファーをクラブが拒否した場合、選手の代理人にその額の10%を支払わなければならないという特殊な契約条項が存在するとの報道も。事実であれば、スポルティング側も強気な姿勢を取り続けることは難しいだろう。
アーセナルはすでに5500万ユーロ+ボーナス1000万ユーロのオファーを提示したが、これは却下されている。それでもロンドンのクラブは交渉を諦めておらず、7000万ユーロ超の新オファーを準備していると伝えられている。
一方で、アーセナルはRBライプツィヒ所属のベンヤミン・シェシュコとも並行して交渉を進めており、最終的にどちらのストライカーを選ぶかは流動的だ。スポーツディレクターのアンドレア・ベルタとミケル・アルテタ監督の間で、セスコの評価が高いという話もあるが、ギェケレシュの得点力と経験値は捨てがたい魅力となっている。