トルコのスュペル・リグの名門ベシクタシュが、来季に向けて大胆な一手を打とうとしている。ブレントフォード所属のブラジル人ストライカー、イゴーリ・チアゴに熱視線を送っており、攻撃陣の再建に向けて動きを加速させている模様だ。
チアゴは2023-24シーズンにクラブ・ブルージュで大爆発。55試合で29得点を挙げた実績が評価され、昨夏には3300万ユーロの移籍金でプレミアリーグへと挑戦の舞台を移した。しかし、新天地ブレントフォードでは出場機会に恵まれず、今季のプレー時間はわずか169分。ゴールもアシストも記録できないまま、苦しい時間を過ごしている。
この状況を受けて、ベシクタシュはブレントフォードに対し、買取オプション付きのレンタルオファーを提示する構えを見せている。完全移籍には応じない姿勢を見せているイングランド側だが、選手本人は出場機会を求めており、トルコ移籍には前向きだという。
新会長に就任したセルダル・アダリ氏のもとで再スタートを切るベシクタシュは、低迷からの脱却に向けて具体的な戦略を描いている。イタリア人ベテラン、チーロ・インモービレとの契約解消を視野に入れる中、次なるエースを迎え入れる準備が着々と進められている。
チアゴの代理人との初期交渉では、選手側が移籍に好意的な姿勢を見せたとも報じられており、今後の進展次第では今夏中の加入も現実味を帯びてくる。
191cmの恵まれた体格を生かしたポストプレーと空中戦、そして圧倒的な決定力。ベシクタシュの攻撃陣にとって、まさに理想的なストライカー像を体現する選手であり、彼の加入は戦術面にも大きな影響を与えるだろう。
ブレントフォードでは鳴かず飛ばずに終わったシーズンかもしれない。だが、クラブ・ブルージュで魅せたゴール前の嗅覚は確かに本物だった。環境を変えることで再びその輝きを取り戻す可能性は十分にある。
トルコの地で復活を遂げるか、それともヨーロッパでの挑戦を続けるのか。イゴーリ・チアゴの決断は、ベシクタシュの再建における最初の、そして最重要な選択肢となりそうだ。