アトレティコ・マドリード、左サイド強化へ本腰…ロバートソンかミッチェルに注がれる熱視線

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アトレティコ・マドリード、左サイド強化へ本腰…ロバートソンかミッチェルに注がれる熱視線 Crystal Palace

ラ・リーガの強豪アトレティコ・マドリードが左サイドバックの補強に向けて動きを加速させている。ディエゴ・シメオネ監督の下、戦術的な堅牢さを誇るアトレティコにおいて、このポジションのアップグレードは喫緊の課題。そんな中、リストアップされている2人の名が、スペイン国内外のメディアを賑わせている。

リバプールのスコットランド代表アンディ・ロバートソン、そしてプレミアリーグのクリスタル・パレスに所属するイングランド人サイドバック、タイリック・ミッチェル。アトレティコが注目するこの2選手の動向が、マーケットの重要な焦点となっている。

移籍市場の信頼筋であるファブリツィオ・ロマーノ氏は、アトレティコ・マドリードが左サイドバックのトップターゲットとしてロバートソンに強い関心を寄せていると報じている。クラブ内部では理想的な補強と位置づけられており、他候補と比較しても優先順位は高いようだ。

ロバートソンは、2017年にハル・シティからリバプールへ加入して以降、ユルゲン・クロップ政権の中心選手として数々のタイトルを獲得。特に攻撃面での貢献は絶大で、正確無比なクロスと上下動の激しさは、モダンなサイドバックの代名詞ともいえる。

ただし、現時点での移籍成立は現実的ではないとの見方が濃厚だ。ロマーノ氏も指摘しているように、リバプールはロバートソンをチームの要として高く評価しており、契約も2026年まで残っている。仮に売却を検討する場合でも、高額な移籍金が障壁になる可能性が高い。

一方で、より現実的な選択肢としてアトレティコが注視しているのが、クリスタル・パレスのタイリック・ミッチェルだ。西『Fichajes』によれば、クラブは同選手をロバートソンの代替候補としてリストアップしており、交渉が本格化する可能性もあるという。

ミッチェルは、パレスのアカデミー出身で、プレミアリーグでも着実に評価を高めてきた左サイドの守備職人。特筆すべきは、彼の契約が今夏満了を迎える点であり、フリーでの獲得が可能となる。移籍金が不要であることは、補強に慎重なアトレティコにとって大きな魅力だ。

さらに、2024/25シーズンにおける彼の成績は安定感に満ちている。プレミアリーグ37試合出場で5アシスト、FAカップでも4試合出場1アシストと、攻守両面での貢献が際立った。グラスナー監督の下で大きな飛躍を遂げ、ヨーロッパリーグ出場を果たしたパレスの中でも、最も信頼された存在のひとりだ。

攻撃のロバートソンか、守備のミッチェルか――シメオネが選ぶのはどちらか

プレースタイルを比較すれば、ロバートソンとミッチェルは正反対の個性を持つ。DataMBの統計によると、ロバートソンはクロス成功率、前方へのパス頻度など、攻撃面の指標で突出しており、積極的に高い位置まで上がっていくのが特徴。対照的に、ミッチェルは1対1の守備やタックル成功率で優れており、よりディフェンス重視のスタイルと言える。

アトレティコが近年苦しんでいるのは、単なる守備だけではなく、攻撃へのリンクプレー不足である。その意味で、ロバートソンが提供できる“サイドからの突破力”は大きな武器となる。一方、ミッチェルは右サイドの攻撃的SBダニエル・ムニョスとのバランスを取る存在としても期待されており、全体的な安定感を与える可能性がある。

今夏の移籍市場で、アトレティコ・マドリードがどのような決断を下すのか。ロバートソンという世界最高峰の左サイドバックを狙いに行くのか、それとも若さとコストパフォーマンスに優れたミッチェルを確保するのか。