ヨーロッパの移籍市場が活発化する中、イタリアの名門インテル・ミラノが新たなターゲットとしてデンマーク代表FWラスムス・ホイルンドの名を挙げている。伊『La Gazzetta dello Sport』や英『Sky Sports』が一斉に報じたところによれば、マンチェスター・ユナイテッドに所属する22歳のストライカーに対し、インテルがローン移籍を前提とした独自の条件で獲得交渉を進めているという。
2023年夏、アタランタから約6400万ポンドの移籍金でオールド・トラッフォードにやってきたホイルンドだが、期待を大きく下回った。今シーズンも52試合で10ゴールと得点力不足が指摘されており、サポーターからも不満が募っている。
そうした中、インテルはこの若きストライカーにセリエAでの再起を託そうとしている。特にアタランタ時代の活躍を知るイタリアのクラブにとって、ホイルンドの復活は十分現実的なシナリオだ。
財政的に余裕のないインテル・ミラノにとって、ユナイテッドが要求する約4500万ユーロの移籍金を一括で支払うのは難しい。そのため、まずはローン契約で今季中にホイルンドを獲得し、翌夏に完全移籍とするスキームが検討されているという。
ホイルンド本人は、先月『Ekstra Bladet』のインタビューで「2030年まで契約があるので、マンチェスター・ユナイテッドでプレーすることを期待している」と発言。表向きはクラブ残留を希望しているが、イングランドでの苦戦を受けてイタリア復帰を望んでいるとも報じられており、インテル移籍に前向きという情報も浮上している。
一方、インテルは別の若手ストライカーの補強にも動いており、セリエB・パルマに所属するフランスU-21代表FWアンジュ=ヨアン・ボニーの獲得も目前とされる。移籍金は約1700万ポンドと見られており、こちらは将来的な投資と位置づけられている。
インテルの前線では、すでにホアキン・コレアとマルコ・アルナウトヴィッチが退団し、攻撃の層が薄くなっている。ラウタロ・マルティネスやマルクス・テュラムとのローテーションを見据えた補強は急務であり、ホイルンドのようにセリエAでの適応実績がある選手は、まさにうってつけの存在と言える。
さらに、中盤ではハカン・チャルハノールの退団の可能性が取り沙汰され、ガラタサライとの接触が伝えられている。その後釜としてアタランタのエデルソンや、若手有望株フランチェスコ・ピオ・エスポージトもターゲットに挙がっているが、いずれも高額な投資が必要とされており、インテルの補強戦略は資金面との綱引きが続いている状況だ。
ホイルンドのインテル行きが実現すれば、キャリアにとってはリスタートのチャンスとなる。ユナイテッドにとっても、十分な結果を残せなかった高額FWの扱いは今後のチーム編成に大きく影響する。セリエAで輝きを放った若きデンマーク代表が、イタリアの地で再び脚光を浴びる日は訪れるのか。