ユナイテッドが狙うフィジカル型MF…ニースの逸材ヒシャム・ブダウィに熱視線

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ユナイテッドが狙うフィジカル型MF…ニースの逸材ヒシャム・ブダウィに熱視線 Manchester United

ルベン・アモリム監督率いるマンチェスター・ユナイテッドが補強ターゲットとして注視しているのが、リーグ・アンのニースに所属するヒシャム・ブダウィ。INEOSグループの傘下にある両クラブ間での移籍には制約が伴うものの、今夏の移籍市場終盤に向けて動きが加速する可能性が浮上している。

フランス・リーグ・アンで台頭する25歳のホールディングMFヒシャム・ブダウィ。アルジェリア代表としてもプレーするこの中盤の要は、今季ニースで存在感を放ち、フィジカル面での秀逸なデータを記録している。

『Datascout』の統計によれば、リーグ内49人の守備的MFの中でスプリント速度は1位、加速回数は4位、高強度走行距離は6位。ボール奪取やカバーリング能力に加えて、プレミアリーグに求められる“持久力”と“スピード”を兼備したタイプであり、ルベン・アモリムが志向するアグレッシブなサッカーとの親和性も高い。

実際にユナイテッドは先週、ソルナで開催されたスウェーデン対アルジェリアの国際親善試合にスカウトを派遣。アルジェリアが0-4で大敗を喫した中でも、ブダウィは地上戦の全デュエルに勝利し、巧みなパス展開とシュートで存在感を見せた。英『The Athletic』や仏『L’Équipe』など複数メディアが、同選手に対するプレミアクラブからの関心が高まっていると報じている。

しかし、この移籍には一筋縄ではいかない舞台裏がある。というのも、ニースとマンチェスター・ユナイテッドはいずれもINEOSグループの傘下にあるクラブであり、UEFAが多クラブ所有の利益相反に対して強い懸念を示しているからだ。

英『The Times』の報道によると、サー・ジム・ラトクリフ氏はUEFAのガイドラインを遵守するため、2025年9月1日午後7時(英国時間)までは両クラブ間の直接的な選手移籍を控えることに同意しているという。つまり、ヒシャム・ブダウィのオールド・トラッフォード入りが実現する可能性があるのは、プレミアリーグ夏の移籍市場最終日というタイミングに限られる。

補強の多くを移籍初期に終えることが理想とされる中で、最終日デッドラインを睨んだ補強戦略は極めてリスクが高く、他クラブによる横取りのリスクも拭えない。実際、スペインやドイツのクラブもブダウィに関心を示しており、プレミア内でも複数の中堅クラブが調査を進めている模様だ。

さらに、ニースは移籍金として2000万ポンドを要求する可能性があり、これは財政再建中のユナイテッドにとって軽くない金額。すでにウルブスからマテウス・クーニャを6250万ポンドで獲得していることを考えると、さらなる高額補強には放出が伴う可能性が高い。

資金のやり繰り、UEFA規定への対応、そして他クラブとの駆け引き。これら複雑に絡み合う要素をどう乗り越えるのか。ヒシャム・ブダウィという即戦力の獲得は、ユナイテッドの今夏補強戦略の鍵を握ることになるかもしれない。