今夏の移籍市場で、スコットランドの名門が積極的な動きを見せている。ラッセル・マーティン監督の就任に揺れるレンジャーズは、最初の補強として右サイドバックにターゲットを定め、プレミアリーグのボーンマスに所属するマックス・アーロンズのローン獲得に迫っているという。英『The Scottish Sun』や『Football Scotland』など複数メディアが報じた。
アーロンズは現在25歳。2023年夏にノリッジ・シティから約700万ポンドでボーンマスへ移籍したものの、出場機会に恵まれずキャリアは足踏み状態となっている。昨季後半戦にはスペインのバレンシアへ期限付き移籍したが、公式戦わずか3試合にとどまり、プレータイムの確保が急務となっていた。
ノリッジで200試合以上に出場し、プレミアリーグでも頭角を現したアーロンズは、かつてマンチェスター・ユナイテッドが2000万ポンドでの獲得を検討していたと報じられた経験もある。また、バルセロナやバイエルン・ミュンヘン、アーセナル、さらにはリバプールも興味を持っていたとされるなど、その才能は早くから高く評価されてきた。
イングランドの年代別代表にも名を連ねてきた同選手だが、近年はクラブでの地位が不安定に。継続的な出場機会を求める彼にとって、レンジャーズでの新たなチャレンジはキャリア再起の絶好の舞台となる。
今回の移籍が現実味を帯びている背景には、アーロンズとマーティン監督との深い関係がある。両者はノリッジ時代に同じピッチに立った旧知の仲。
その信頼関係は、アーロンズがレンジャーズ移籍を決断する上で大きな後押しになったと見られる。マーティン監督もサウサンプトン指揮時代からアーロンズを高く評価しており、今回の動きは長年の構想の一部だったのかもしれない。
レンジャーズの補強戦略は右サイドにとどまらない。イスラエルのマッカビ・テルアビブに所属するフォワード、ドル・トゥルゲマンや、レスター・シティの元イングランド代表CBコナー・コーディとも交渉が進んでいると報じられている。
一方で、左サイドの補強候補だったハリー・ダーリン(スウォンジー・シティ退団)は、マーティン監督が選手時代に長年在籍したノリッジ・シティと契約する見通しとなり、獲得は実現しなかった模様だ。
新体制の下で攻守に渡る刷新を進めるレンジャーズ。マックス・アーロンズの加入が決まれば、守備陣に新たな競争と活力がもたらされることは間違いない。プレミアリーグの強豪たちが注目した才能が、スコティッシュ・プレミアシップで再び輝きを取り戻す日は近いかもしれない。