2025年夏の移籍市場において、注目度が急上昇している選手がいる。フランス・リーグアンのOGCニースに所属し、コートジボワール代表としても活躍するエヴァン・ゲサンだ。23歳という若さながら、トッテナム・ホットスパー、リーズ・ユナイテッド、ウルブス、そしてブライトンやクリスタル・パレスなど、複数のプレミアリーグクラブが争奪戦を繰り広げている。
さらに、トルコの強豪フェネルバフチェもその争奪戦に名乗りを上げており、エディン・ジェコの退団に伴いストライカー補強に動いている最中だ。新監督ジョゼ・モウリーニョがすでにゲサン本人と直接交渉を行ったとされており、英『TBR Football』の報道によれば、トルコ移籍が現時点で最有力という見方もある。
ニースは移籍金として2600万ポンドを要求しており、これを下回るオファーでは交渉のテーブルに着くつもりはないという。ウルブスはすでに正式な打診を行ったとも報じられており、今後の動きに注目が集まっている。
エヴァン・ゲサンがこれほどの関心を集める背景には、その卓越したユーティリティ性と安定したパフォーマンスがある。2024-25シーズンには公式戦で21のゴール関与を記録し、リーグ・アンだけでなくヨーロッパリーグでも結果を残した。前線のほぼすべてのポジションをこなせる柔軟性を備え、チームにおける戦術の幅を大きく広げる存在だ。
そのプレースタイルは、リバプールのコディー・ガクポやアーセナルのレアンドロ・トロサール、さらにアトレティコ・マドリードのアントワーヌ・グリーズマンとも比較される。
トッテナムが招聘したトーマス・フランク新監督は、前線からのハイプレスと攻守両面での貢献を重視する戦術を採用することが予想されており、ゲサンのフィット感は極めて高い。特にリシャルリソンの不振が続くスパーズにとって、攻撃陣の新たなオプションは必須事項となっている。
一方で、プレミアリーグでのプレーに強い関心を寄せているとされるゲサン本人の意向も鍵を握る。彼は以前のインタビューで「新たなチャレンジを求めている」と語っており、英国移籍の可能性は依然として消えていない。
だが、トルコ勢の積極的な動きと、モウリーニョの存在感は決して無視できない。交渉の場でトッテナムやウルブスがどこまで条件を詰められるかが、この争奪戦の趨勢を左右しそうだ。
エヴァン・ゲサンの去就は依然として未決着のままだ。しかしその能力の高さと成長余地を考えれば、今夏のマーケットで最も注目すべき逸材の一人であることは疑いようがない。
トッテナムは新監督の就任による体制刷新の真っ只中であり、攻撃陣の補強は喫緊の課題だ。ダニエル・レヴィ会長の下、出遅れた補強戦略を挽回する意味でも、ゲサン獲得は象徴的な一手となるだろう。
果たして、コートジボワール代表FWはどのクラブで新シーズンを迎えるのか。プレミアリーグの強豪たちが意地を見せるのか、それともフェネルバフチェが一歩先んじるのか。