エストゥピニャンのマンチェスター・ユナイテッド移籍願望に立ちはだかる現実的な壁

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エストゥピニャンのマンチェスター・ユナイテッド移籍願望に立ちはだかる現実的な壁 Brighton & Hove Albion

プレミアリーグで最もダイナミックな左サイドバックのひとりとして知られるペルビス・エストゥピニャン。現在ブライトンに所属するエクアドル代表の27歳は、今夏の移籍市場でマンチェスター・ユナイテッドへの加入を切望していると、英『Football Insider』が報じている。

かつてユナイテッドのスカウトとしても活動していたミック・ブラウン氏によれば、エストゥピニャンはすでに代理人を通じて複数クラブに売り込みを始めており、その中でもユナイテッドは本人が最も強く希望している移籍先だという。

しかし、現実はそう甘くはない。ユナイテッドが抱える補強の優先順位、そしてすでに在籍する選手たちの存在が、エストゥピニャンの夢の移籍にとって高すぎる壁となって立ちはだかっている。

エストゥピニャンの退団希望は、ブライトンが抱える構造的な問題とも無関係ではない。同紙によれば、ジョアン・ペドロやマット・オライリーといった選手たちもクラブに対して不満を抱いており、今夏の移籍市場では複数選手の流出が予想されている。

ファビアン・ヒュルツェラー監督も、不満を抱えたままの選手をチームに残すことに消極的とされ、適切なオファーがあれば放出に踏み切る姿勢を示しているという。これは、クラブとしてもチーム再編に着手する必要性を認識していることの表れでもある。

一方で、エストゥピニャンのような左サイドバックの去就が特に注目されるのは、同ポジションがプレミアリーグにおいて重要性を増していることも理由の一つだ。しかし、肝心のマンチェスター・ユナイテッドはこのポジションの補強を急務とは考えていないのが実情だ。

この判断の背景には、ルーク・ショーの回復状況と今後への期待がある。長らく離脱していたとはいえ、万全な状態に戻ればいまだにプレミアでも屈指の左サイドバックであり、高額な新戦力を加える必要性は薄れる。

さらに、今冬に獲得したパトリック・ドルグの存在、そしてアカデミーから頭角を現しつつあるハリー・アマスの成長も、クラブの判断に大きく影響している。現時点でユナイテッドが最も注力しているのは、センターフォワードと中盤の強化であり、サイドバックへの投資は後回しになりつつある。

実際、同メディアによれば、ユナイテッドは現在のスカッド構成を見直しながらも、ターゲットを絞っている状態。エストゥピニャンのようなプレミア経験豊富なサイドバックへの関心はゼロではないものの、現状では具体的な動きは見られていない。

エストゥピニャンの将来とユナイテッドのブランド力

ペルビス・エストゥピニャンがマンチェスター・ユナイテッドを移籍先として強く希望しているという事実は、クラブの求心力が依然として強いことの裏付けでもある。近年の成績低迷や混迷する補強戦略にもかかわらず、有力選手にとっては今なお夢の舞台であり続けているのだ。

しかし、選手本人の希望だけで実現するほど、現代サッカーの移籍市場は甘くない。ユナイテッドが本気で彼の獲得に動くには、チーム構成や財政状況、そして他のポジションの補強が一段落している必要がある。

今後、ブライトンがどのような対応を取るか、またユナイテッドが戦力整理を進めたうえで改めてエストゥピニャンに目を向けることがあるのか。すべては今後数週間の移籍市場の動向にかかっている。