モーガン・ロジャース放出に備え、アストン・ヴィラがエベレチ・エゼ獲得に本腰か!?

モーガン・ロジャース放出に備え、アストン・ヴィラがエベレチ・エゼ獲得に本腰か!? Aston Villa

プレミアリーグの夏の移籍市場が活発化する中、アストン・ヴィラが抱える問題は単なる補強だけにとどまらない。クラブは利益持続性規則(PSR)やファイナンシャル・フェアプレー(FFP)といった財政面の縛りに直面しており、6月末までに一定の資金調整を求められている。これが意味するのは、現有戦力の中から少なくとも一人の主力選手を売却する可能性がある。

この状況で最も注目されているのがモーガン・ロジャースの去就。今季のパフォーマンスによりPFA年間最優秀若手選手賞の有力候補に名前が挙がるなど、急成長を遂げた若手アタッカーに対し、アーセナルが今月中にも5000万ポンドを超えるオファーを提示する可能性があると報じられている。

ヴィラのクラブ内部では、財政的な圧力を逆手に取った他クラブからの関心が激化する中、ロジャース売却に備えた緊急プランが検討されているとも。ロジャース自身の評価が高まる一方で、FFPの枠組みの中でクラブが守らなければならないラインも存在する。もし5000万ポンド超の正式オファーが届けば、ヴィラはそれを断り切ることは難しいだろう。

エゼが代役候補の最右翼に浮上…数字で示された実力と適応力

このような中、ヴィラが白羽の矢を立てたのがクリスタル・パレスの攻撃的MFエベレチ・エゼ。『Football Transfers』によれば、アストン・ヴィラはすでにエゼに関心を示しており、ロジャース退団に備えて優先補強リストのトップに彼の名前が挙がっているようだ。

2024-25シーズン、エゼはクラブにとって歴史的な瞬間となるFAカップ決勝で決勝ゴールをマークし、パレスに初の主要タイトルをもたらす立役者となった。シーズン全体を通しても、プレミアリーグで31試合に先発し、8ゴール8アシストを記録。

エゼの強みはゴール数やアシスト数にとどまらない。1試合あたりのキーパス数やドリブル数でもチームトップを記録し、攻撃の中心選手として高い貢献度を示した。実際、プレミアリーグでの主要スタッツでもロジャースと遜色ない数値をマークしており、代役として適任といえるだろう。

セリハースト・パークとの契約には6800万ポンドのリリース条項が設定されており、仮にヴィラがロジャース売却で得た資金を即座に再投資できる環境を整えた場合、現実的なターゲットとなることは間違いない。

アストン・ヴィラは、ロジャースをアーセナルへ放出するという苦渋の決断を迫られた場合に備え、エゼ獲得の準備を着々と進めている。リリース条項の存在は交渉を複雑にする一方で、タイミング次第では迅速な動きが可能となるだけに、クラブとしては市場終盤の一手に向けたシナリオを複数描いているはずだ。