トーマス・パーテイの退団が濃厚と見られる中、アーセナルが新たな中盤戦力の確保に向けて動いている。ターゲットとされているのは、ブレントフォードのキャプテン、クリスティアン・ノアゴール。31歳のデンマーク代表MFに対し、北ロンドンのクラブが関心を寄せていると英『The Mirror』が報じている。
アーセナルは、レアル・ソシエダに所属するマルティン・スビメンディの獲得に近づいているとされているが、なぜこのタイミングで、プレミアリーグで長年安定したパフォーマンスを披露してきたベテランにも白羽の矢を立てたのか。その背景にある戦略と中盤再編の構想に迫る。
アーセナルは今夏、複数のミッドフィルダーがチームを去る見込みだ。中でも、トーマス・パーテイは契約満了を迎えるタイミングで退団が濃厚。クラブは延長を打診していたが、選手側の高額なサラリー要求により交渉は決裂。ジョルジーニョもまた契約延長には至らず、チームを離れたことで中盤の層が一気に薄くなっている。
こうした状況下で、アーセナルが検討しているのが、ブレントフォードでキャプテンを務めるノアゴールの獲得だ。現行契約は2027年まで残されているが、報道によれば比較的安価な移籍金での獲得が可能とされており、コストパフォーマンスに優れた補強になるとの見方が強まっている。
ミケル・アルテタ監督が重視する戦術理解度と規律面でも信頼が置ける存在であり、デクラン・ライスやスビメンディといった若くエネルギッシュな選手たちの中で、冷静なバランス感覚を持つベテランの補完的役割が期待されている。
一方で、ブレントフォード側は簡単に主力を手放す構えではない。トーマス・フランク監督がクラブを去り、ムベウモやウィサといったアタッカーにも関心が集まる中、ノアゴールの放出に関しても慎重な姿勢が予想される。ただし、選手自身がステップアップを望むのであれば、交渉の余地は残されているかもしれない。
高額な移籍金やサラリーが必要ないという点で、ノアゴールは極めて“賢い補強”になり得る存在。ピッチ外でのリーダーシップにも期待がかかる31歳が、赤と白のユニフォームに袖を通す日が訪れるのか。