プレミアリーグでの躍進を経て、来季の欧州カップ戦出場を視野に入れるニューカッスル・ユナイテッド。クラブにとってこの夏の補強は重要な分岐点を迎えており、中でもフォワードラインの強化は最優先事項とされる。
ブライトンで確かな結果を残しているジョアン・ペドロに対する関心が強まる中、思わぬ障害が浮上している。鍵を握るのは同僚ストライカーのエヴァン・ファーガソン。移籍市場を取り巻く環境は、単純な売買以上に複雑に絡み合っている。
2023年夏にワトフォードからブライトンへ移籍したジョアン・ペドロは、初年度から結果を残し、すでに不可欠な戦力としての地位を築いた。公式戦40試合20ゴール3アシストと躍動した2023-24シーズンに続き、昨季もプレミアリーグ27試合で10ゴール6アシスト記録した。
しかし、ブライトンにとっては手放しがたい存在だ。昨季は欧州カンファレンスリーグ出場を惜しくも逃したが、ペドロの得点力が維持されれば、再びヨーロッパ大会への挑戦が現実味を帯びてくる。クラブの将来像にとって、彼の存在は極めて重要なのだ。
ニューカッスルとしては、アレクサンデル・イサクが今夏リバプールへ移籍する可能性も考慮しており、新たなストライカーの確保は緊急性を増すばかり。ペドロは以前からターゲットリストに名を連ねており、移籍前の段階から注目していたことも知られている。
ファーガソンの不透明な未来とペドロ移籍への影響
2024-25シーズン、エヴァン・ファーガソンはウェストハムでのローンを経験したものの、8試合ノーゴールと沈黙。評価を落としたかに見えたが、今夏はオランダのPSVをはじめ、エバートンやノッティンガム・フォレストなど複数クラブが関心を示しているという。
ブライトンはオリンピアコスから18歳のチャラランポス・コストゥラスを新たに加えたが、経験面では未知数。ファビアン・ヒュルツェラー監督としては、即戦力を2枚同時に手放すリスクは冒しづらく、ファーガソンとペドロの両名を維持したい考えとみられる。
さらに移籍金の問題もある。ブライトンはペドロに対し5000万〜6000万ポンドを要求しており、この強気な姿勢が取引成立をさらに難しくしている。
一方、獲得に動くニューカッスル側も慎重だ。元エヴァートンCEOのキース・ワイネス氏は、ペドロがエディ・ハウ監督の戦術に適合するかに疑問を投げかけており、「Football Insider」のポッドキャストで他の選択肢にも目を向けるべきだと語っている。
その代替案として浮上しているのが、ノッティンガム・フォレスト所属のウインガー、アンソニー・エランガ。昨季プレミアリーグ全試合に出場し、6ゴール11アシストという安定した成績を残しており、フォレストは少なくとも5000万ポンドを要求している。
ジョアン・ペドロにはチェルシーも興味を示しており、『ESPN』によれば選手本人はロンドンへの移籍を好んでいるそうだ。過去にワトフォードに在籍していたことから、ロンドン圏内での生活に馴染みがあることも影響しているようだ。
ニューカッスルにとって、ジョアン・ペドロの獲得は戦力強化の象徴となり得るが、その実現は想像以上に険しい道となっている。ブライトンの放出方針、ファーガソンの動向、チェルシーという競合クラブの存在、そして選手自身の志向…ブラジル人ストライカーの未来はどこにあるのだろうか…?