ロシア・プレミアリーグで躍動する攻撃的MFが、今夏の移籍市場におけるホットトピックとなっている。伊『TuttoAtalanta』の報道によると、この25歳のプレーメイカーに対し、マンチェスター・ユナイテッドとブレントフォードが本格的な関心を寄せているようだ。
FCクラスノダールに所属するエドゥアルド・スペルツァンは、今季ロシア国内でのタイトル獲得を牽引したキープレーヤーのひとり。攻撃を司るナンバー10を主戦場としながら、ウィングにも柔軟に対応できる高いユーティリティ性が武器。アルメニア代表としての国際経験も重ねており、その評価は日に日に高まっている。
2024-25シーズンにロシア・プレミアリーグ初優勝を成し遂げたクラスノダール。その中心にいたスペルツァンは、リーグ戦28試合で11ゴール7アシストと圧巻の数字を記録。キャプテンとしての統率力にも定評があり、今やロシア国内では押しも押されぬ中心選手として認知されている。
その影響力を踏まえ、クラスノダールは移籍金として2500万ユーロを設定。選手売却には慎重な姿勢を貫いており、クラブ側が簡単にゴーサインを出すことはないだろう。伊『TuttoAtalanta』も、ロシア国内クラブからの引き抜きが決して容易ではないと警鐘を鳴らしている。
一方で、ユナイテッドにとってこの金額は、現時点でターゲットに挙がっている他の選手と比較すると“割安”な存在。たとえば、ブライアン・ムベウモは、アドオン込みで6300万ポンドという高額なオファーが提示されているという。
仮にムベウモの交渉が難航した場合、スペルツァンは代替案として一気に浮上する可能性がある。ルベン・アモリム監督が好む3-4-2-1の布陣においても、中央の2シャドーやワイドの位置で柔軟に起用できる点は、チーム戦術にとって魅力だ。
なお、これまで獲得に関心を寄せていたリーズ・ユナイテッドはすでにレースから撤退。ロシア現地メディアの報道によれば、交渉の複雑さを理由に早々に手を引いたとされている。
アヤックスやPSG、アタランタも関心…スペルツァンの未来は欧州のどこへ
争奪戦はイングランド国内にとどまらない。オランダのアヤックスが現時点で最も有利な立場にあるとされており、フランスのパリ・サンジェルマンも注視している模様。さらに、アタランタも水面下で獲得に乗り出しているが、金額面や競合の多さから難航が予想される。
現時点で、ユナイテッドやブレントフォードの内部で進展があったとする決定的な報道はないが、獲得の検討が継続されているのは確かだ。各メディアとも、今後数週間の動き次第で争奪戦の構図が変わる可能性に言及している。
スペルツァン自身は、これまで国外移籍に前向きなコメントを出してはいないが、アルメニア代表としてのキャリアを一段階引き上げるためにも、欧州五大リーグへの挑戦は現実味を帯びつつある。