プレミアリーグのトッテナム・ホットスパーが、川崎フロンターレに所属する日本代表DF高井幸大の獲得で合意に達した。移籍金は500万ポンドと見込まれ、Jリーグから海外へ渡る日本人選手としては史上最高額の移籍となる。20歳のセンターバックは、今夏からトーマス・フランク新監督率いるスパーズでプレーすることになる。
日本代表DF高井幸大の実力とトッテナム加入の背景
身長193センチの高井は、空中戦に強く、左利きにも対応できる柔軟性を持つ本格派センターバック。日本代表として既にA代表キャップを2つ保持し、ワールドカップ予選やオリンピックでも結果を残してきた。川崎ではすでにJ1通算57試合に出場しており、2025年シーズンもコンスタントに先発を務めていた。
今季のAFCチャンピオンズリーグ準決勝、アル・ナスルとの対戦では、クリスティアーノ・ロナウドやサディオ・マネを擁する相手に一歩も引かず、冷静かつ的確な守備でチームの堅守を支えた。欧州の複数クラブが視察に訪れた中で、この一戦が評価を大きく押し上げる決定打になったと英『Evening Standard』が報じている。
トッテナムは以前から彼をリストアップしており、ブレントフォード時代からアジア市場に理解のあるフランク監督が就任したことで、獲得が一気に加速した形となった。
現在トッテナムのセンターバックは、ロメロ、ファン・デ・フェン、ダンソ、ドラグシン、ベン・デイヴィス、フィリップス、ドリントンといった陣容に加え、来月にはクロアチアの逸材ヴシュコヴィッチも加入予定。層が厚すぎる現状に対しては、登録ルールや育成枠との兼ね合いもあり、今夏に複数の放出が行われる見込みのようだ。
その一方で、ファンはさらなる即戦力の補強を望んでいる。エベレチ・エゼやクリスティアン・ノアゴーアといった名が報道に挙がっているものの、移籍交渉は進展していない。フランク監督が信頼を置くブライアン・ムベウモの名前も出ているが、こちらはマンチェスター・ユナイテッドが6000万ポンド超のオファーを用意しており、争奪戦となる可能性が高い。
高井は来月のJリーグ中断期間にあわせてトッテナムに合流し、アジアツアー(香港・韓国)にも帯同予定。プレシーズンの段階からチームに馴染み、欧州初挑戦の地歩を固める準備は整っている。