ポルトガル代表の正守護神が、ついに新たなステージへ足を踏み出そうとしている。EURO 2024で圧巻のパフォーマンスを披露したディオゴ・コスタが、今夏の移籍市場で大きな注目を集めている。
ポルトで数々のタイトルを獲得してきた守護神は、プレミアリーグ挑戦への強い思いを抱いており、イングランドの名門であるマンチェスター・ユナイテッドとマンチェスター・シティがその動向に注目している。
ポルトガル紙『A Bola』の報道によれば、ディオゴ・コスタはFCポルトを離れ、欧州トップリーグでの新たな挑戦を志しているという。25歳となった守護神は、ポルトでのキャリアに区切りをつける時が来たと考えており、クラブに対してその意向をすでに伝えているとされる。イングランドでのプレーは長年の夢であり、本人の周囲にも国外でのプレーを望む気持ちを隠していない。
2011年に11歳でポルトの下部組織に加入したコスタは、今や同クラブの象徴的存在となった。トップチームでは通算197試合に出場し、リーグ優勝2回を含む8つの主要タイトルを獲得。リーダーシップと安定感でゴールを守り続け、ポルトガル代表でも不動の地位を築いている。EURO 2024のラウンド16・スウェーデン戦ではPK戦で3本を止める離れ業を披露し、同大会史に名を刻んだ。
ポルトガル代表を率いるロベルト・マルティネス監督も、コスタのパフォーマンスを「集中力は信じられないレベルだった」「完全に次元が違う選手」と評し、世界的な評価の高まりを後押ししている。
両マンチェスター勢が関心も、移籍金が最大の障壁に
プレミアリーグで最も獲得の可能性が取り沙汰されているのが、マンチェスター・ユナイテッドだ。昨夏に獲得したアンドレ・オナナが不安定なパフォーマンスに終始したこともあり、クラブは新たな守護神の獲得を模索中。ユナイテッドはコスタを優先的なターゲットとしてリストアップしており、すでにスカウティングも本格化させているとも言われる。
一方で、移籍交渉においては金銭面が大きな壁として立ちはだかる。コスタの契約には7500万ユーロのリリース条項が設定されているが、ポルトのアンドレ・ビラス・ボアス会長が譲歩すれば6000万ユーロでの移籍も現実味を帯びる。
また、マンチェスター・シティもコスタの将来的な獲得を視野に入れていると報じられている。現正GKのエデルソンにはサウジ・プロリーグからの関心が寄せられており、万が一の退団に備えた動きだとみられる。しかし、ペップ・グアルディオラ監督は6月初旬に「主力GKは残留する」と明言しており、現時点では積極的な動きは見られない。
ディオゴ・コスタがどのユニフォームを身にまとうことになるのか、その行方には世界中のファンとクラブ関係者が注目。ポルトで育ち、すべてを勝ち取った守護神は、新たな高みを目指して動き出す。プレミアリーグの地でその才能が花開く日が、そう遠くない未来に訪れるかもしれない。