ボルシア・メンヒェングラートバッハでレギュラーポジションを掴んだ21歳の左サイドバック、ルーカス・ウルリッヒに対し、複数のプレミアリーグクラブが興味を示していると、英『TBR Football』が報じている。中でもトッテナム・ホットスパーとリーズ・ユナイテッドが前線に立ち、今夏の移籍市場で争奪戦に突入する可能性が高まっている。
昨季のブンデスリーガで、ウルリッヒは33試合に出場し、確固たる信頼を勝ち取った。クラブ内のライバルであるルカ・ネッツを差し置いて左サイドバックの主力として定着し、年間最優秀選手賞にもノミネートされるなど、評価は急上昇。
守備での堅実な対応と対人戦の強さを武器にしつつ、攻撃への貢献も目を見張るものがある。今月行われたU-21欧州選手権のグループステージでは、イングランド戦にフル出場しアシストも記録。国際舞台でもその才能を証明してみせた。
その活躍ぶりを見逃さなかったのが、プレミアリーグのクラブたちだ。トッテナムとリーズのみならず、クリスタル・パレス、エバートン、ブライトン、ノッティンガム・フォレストといった中堅クラブも、移籍の動向を注視している模様。すでにトップリーグでの実績を積み上げている若手選手として、プレミアのスカウト陣の目に留まるのは必然だろう。
補強に動くトッテナムとリーズ!若手育成と即戦力の両面で注目されるウルリッヒ
トッテナムは今夏、新監督トーマス・フランクを迎え入れ、クラブの再構築に本腰を入れている。若手育成に定評のある同監督の下、クラブはすでに川崎フロンターレから高井幸大の獲得も近づている。そこにウルリッヒを加えることで、将来的な主力構想を進める青写真が描かれていると考えられる。
一方のリーズ・ユナイテッドにとって、左サイドバックの補強は喫緊の課題となっている。ジュニオール・フィルポの契約が間もなく満了を迎え、マクシミリアン・ウーバーは退団許可が下りており、サム・バイラムの去就も不透明な状況だ。
アレックス・モレノ(アストン・ヴィラ)やガブリエル・グズムンドソン(リール)といった他の候補者も挙がってはいるが、21歳という年齢とブンデスでの実績を備えたウルリッヒは、リーズにとって長期的な解決策として理想的な存在となり得る。
ダニエル・ファルケ監督の下で、若手を育てて主力に押し上げるというスタイルもウルリッヒにとっては魅力に映るだろう。実際、チームはスロベニア代表CBジャカ・ビヨルを獲得するなど補強に動いており、サイドバックのテコ入れも急務となっている。
ウルリッヒとボルシア・メンヒェングラートバッハの契約はあと2年を残しており、クラブ側もすでに延長交渉に着手している。ただし、プレミアリーグからの関心の高さを踏まえれば、クラブにとっても交渉は容易ではない。ヨーロッパでも屈指の舞台であるイングランドでの挑戦は、選手にとってもキャリアの大きな分岐点となる可能性がある。
移籍市場が本格化する夏に向けて、ルーカス・ウルリッヒを巡る動きはさらに活発化していくだろう。プレミアリーグへと飛躍するのか、それともブンデスリーガでの成長を優先するのか。