ギェケレシュ再浮上…マンチェスター・ユナイテッド、攻撃陣完成へ向けたラストピース獲得なるか?

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ギェケレシュ再浮上…マンチェスター・ユナイテッド、攻撃陣完成へ向けたラストピース獲得なるか? Manchester United

プレシーズンを控え、サッカー界は移籍市場の熱気に包まれている。そんな中、マンチェスター・ユナイテッドが新たなストライカーの補強に動いているとの報道が、再びヨーロッパを駆け巡っている。

ターゲットはスポルティングCPのスウェーデン代表FWヴィクトル・ギェケレシュ。2023-24シーズンにヨーロッパ屈指の決定力を誇った27歳は、移籍市場で最も注目されるストライカーの一人だ。

すでにウルヴァーハンプトン・ワンダラーズからマテウス・クーニャを獲得したユナイテッドは、さらにブレントフォードのブライアン・ムベウモの加入も目前とされている中、かねてよりリスト最上位にいたギェケレシュに再び熱視線を送っていると、英『The Mirror』が報じた。

移籍劇の舞台裏とマンチェスター・ユナイテッド再浮上の理由

今夏の移籍市場において、ギェケレシュの動向は二転三転してきた。もともと彼はチャンピオンズリーグ出場を希望しており、アーセナル移籍が有力視されていた。しかし、ロンドンのクラブはRBライプツィヒのベンヤミン・シェシュコを優先ターゲットとし、交渉が進展。

これにより、ギェケレシュ側はアーセナルへの方針を撤回し、マンチェスター・ユナイテッドが再び最有力候補として浮上することになった。

ギェケレシュの去就は、クラブと代理人との関係性も複雑だ。スポルティングのクラブ会長は、代理人が提示した5900万ポンドの「紳士協定」について否定しており、クラブとしてはあくまで8600万ポンドを要求しているという。

一方で選手側は、その金額が現実的ではないと主張し、移籍交渉は膠着状態にある。昨夏にはアル・ヒラルから5500万ポンドのオファーが届いていたものの、ギェケレシュ自身が欧州でのプレーを強く望み、オファーを断っている経緯もある。

さらに、レアル・マドリード、リヴァプール、ユヴェントス、パリ・サンジェルマンなど欧州の他のビッグクラブは、現時点でギェケレシュに対する本格的なアプローチを見せておらず、結果的にユナイテッドが唯一の現実的な選択肢となっているのが実情だ。

ユナイテッドがギェケレシュを高く評価する理由は明確だ。2023-24シーズンのスポルティングでは50試合で43ゴール15アシストを記録。2024-25シーズンに入っても勢いは衰えず、52試合で54ゴール13アシストという驚異的な数字を叩き出している。カウンターアタック時のスピード、前線でのタメ、そしてエリア内での決定力は、プレミアリーグでも十分に通用すると見られている。

すでにクーニャとムベウモを加えたユナイテッドにとって、ギェケレシュの獲得は「夢の攻撃陣」の完成を意味する。クーニャとムベウモは前シーズンでリーグ戦計35ゴールを記録しており、ギェケレシュが加われば、これまで以上に破壊力を持つトリデンテが実現するかもしれない。

ただし、課題も残されている。まず適応力。ギェケレシュの得点の多くがPKおよびスペースのあるカウンターから生まれており、プレミアリーグのインテンシティやタイトな守備網にどこまで対応できるかは未知数だ。加えて、PKキッカーの座はユナイテッドではブルーノ・フェルナンデスが不動の存在であり、得点数の再現には環境の違いが影響しうる。

さらに、資金面での問題も無視できない。スポルティング側は8600万ポンド以下では応じる意思を示しておらず、すでに多額を投じたユナイテッドは、これ以上の投資には売却による資金調達が必要になる。候補としてはアレハンドロ・ガルナチョ、マーカス・ラッシュフォード、ジェイドン・サンチョといった面々が挙がっており、アントニーのレアル・ベティス行きも検討されている。

ギェケレシュがマンチェスターの地を踏むには、まずこの資金面のハードルをクリアすることが必須条件となりそうだ。