来季のヨーロッパリーグ出場を決めたアストン・ヴィラが、守備陣の補強に本格的に動き出している。今季のプレミアリーグで上位争いを演じたウナイ・エメリ率いるチームは、最終的に6位でフィニッシュ。チャンピオンズリーグの切符にはあと一歩届かなかったが、欧州の舞台で戦う準備を着々と進めている。
特にセンターバックは補強の急務だ。現状、チームに残っている主力CBはパウ・トーレス、タイロン・ミングス、エズリ・コンサの3人のみ。今季、チェルシーから期限付き移籍で加入し、守備の柱として奮闘したアクセル・ディサシはローン期間終了とともに復帰が決定しており、その穴を埋める人材が求められている。
そこで新たにターゲットとして浮上しているのが、セリエAのヴェネツィアに所属するインドネシア代表DFジェイ・イツェスだ。伊『Tuttosport』によると、ヴィラはイツェスの獲得可能性について正式に問い合わせを行ったとされている。
2023年夏にオランダのゴー・アヘッド・イーグルスからヴェネツィアに加入したイツェスは、1年目から主力としてプレー。セリエBからの昇格に貢献したが、今季はチームがセリエAで苦戦し、1年での降格が決定。それでも個人としてはリーグ戦35試合に出場し、後半戦にはキャプテンマークも任されるなど、リーダーシップと安定感を示した。
複数クラブが狙うイツェス争奪戦!移籍金交渉が焦点か
イツェスに関心を示しているのはヴィラだけではない。イタリア国内ではフィオレンティーナやウディネーゼも興味を持っており、特にウディネーゼは500万〜600万ユーロのオファーを提示したと報じられている。ウディネーゼは、リーズ・ユナイテッドに移籍したジャカ・ビヨルの後任としてイツェスをリストアップしている模様だ。
しかし、ヴェネツィア側はこれらの提示額に満足していない可能性が高い。契約は残り2年を残しており、クラブは彼の市場価値を800万ユーロ以上と見ているとの報道もある。キャプテン経験やセリエAでの安定したパフォーマンスを考慮すれば、それも不思議ではない。
プレミアリーグという高強度な舞台でも、188cmの高さと空中戦の強さを持つイツェスはフィットする可能性を秘めている。エメリ監督の戦術では、ビルドアップ能力やポジショニングの的確さが求められるが、セリエAでの経験がその基準を満たす後押しとなるだろう。
ヨーロッパリーグを戦い抜くには、選手層の充実が不可欠だ。果たしてアストン・ヴィラは、熾烈な争奪戦の中からイツェスを引き抜くことができるのか。