パリーニャの未来はどこに? バイエルン・ミュンヘン残留希望も、ユナイテッドが静観

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パリーニャの未来はどこに? バイエルン・ミュンヘン残留希望も、ユナイテッドが静観 Manchester United

昨年の夏、ジョアン・パリーニャのバイエルン・ミュンヘン移籍はドイツ国内でも大きな話題となった。フラム時代にプレミアリーグ屈指の守備的MFとして頭角を現した彼を高く評価したのが、当時の指揮官だったトーマス・トゥヘルだった。

バイエルンはフラムに約4,230万ポンドを支払って彼を獲得したが、蓋を開けてみればトゥヘルはその直後にクラブを去ることとなり、現在はヴァンサン・コンパニが指揮を執っている。ベルギー出身の新指揮官は、攻撃志向のスタイルを好む傾向が強く、パリーニャのような守備型MFにはやや冷淡とも言える評価を下していると独『BILD』が報じている。

こうした背景から、バイエルンは今夏にもパリーニャの放出に動く構えを見せており、獲得時の移籍金を全額回収することは諦め、3,000万〜3,500万ユーロのオファーを受け入れる準備があるとされている。

プレミアリーグへの復帰という文脈で真っ先に名前が挙がったのがマンチェスター・ユナイテッドだ。フラム時代のパリーニャを熟知しており、中盤の守備強化を求めるユナイテッドにとって理想的な補強に映る。

特に、昨季限界を露呈したカゼミーロの後釜として、またまだ不安定な評価が続くマヌエル・ウガルテに代わる即戦力としても、その存在感は申し分ない。にもかかわらず、オールド・トラフォードからはこれといった具体的な動きが聞こえてこない。

その理由のひとつに、現在進められている攻撃陣の補強がある。すでにウォルバーハンプトンからマテウス・クーニャを獲得し、さらにブレントフォードのブライアン・ムベウモにも関心を寄せており、中盤よりも前線の再構築が優先されているのは明らかだ。

パリーニャが描く理想像、ファルク氏が語る選手の決意

そして何より、ユナイテッドがパリーニャに本腰を入れない最大の理由が、選手本人の明確な意思にある。

ドイツ大手メディア『BILD』のフットボール部門を率いるクリスチャン・ファルク氏は、『CaughtOffside』に寄稿する形で、パリーニャに関する最新情報を明かしている。それによれば、現時点で移籍に関する進展は全くなく、選手本人は今なおバイエルンで自らの価値を証明することを強く望んでいるという。

また、フラムへの復帰にも関心を示していないとのことで、以前噂されたウェストハムからの関心も、現在は具体的な動きに至っていない。ファルク氏の見立てでは、今夏の移籍市場が進む中でも、パリーニャの姿勢に変化は見られないとのことだ。

クラブの方針と選手本人の意思が食い違うことは、移籍市場ではよくある光景だ。だが、今回のケースでは、バイエルンがパリーニャの売却に前向きであるのに対し、選手は頑なに残留を望んでいるという珍しい構図が形成されている。

この食い違いがどう着地するのか。ユナイテッドを含む他クラブが移籍市場の終盤戦で方針を転換し、バイエルンの要求に応じたオファーを提示するのか。それとも、パリーニャの決意が貫かれ、ミュンヘンでの再出発が実現するのか。