プレミアリーグの上位争いを視野に入れ、ニューカッスル・ユナイテッドが再び市場で大胆な動きを見せようとしている。エディ・ハウ体制のもと、昨季カラバオカップでリヴァプールを下して70年ぶりのメジャータイトルを手にした同クラブは、今夏の移籍市場で攻撃陣のテコ入れに本腰を入れている。
狙いを定めているのは、RBライプツィヒに所属するオランダ代表MFシャビ・シモンズと、ノルウェー代表ウィンガーのアントニオ・ヌサ。いずれも将来を嘱望される逸材であり、この二人の同時獲得はチームの前線に新たな風を吹き込む可能性を秘めていると、英『GIVEMESPORT』が報じた。
まず注目すべきは、21歳ながら既に欧州の注目株として名前が挙がるシャビ・シモンズだ。昨季RBライプツィヒで33試合に出場し、11ゴール8アシストと際立った数字を残したこの攻撃的MFは、その得点力と創造性でドイツ国内のみならず欧州各国のスカウトの目を引いている。
オランダ代表でも印象的なパフォーマンスを見せており、特にマルタ戦ではゴールに加えて5本のキーパスを供給し、6度の地上戦でも勝利を収めるなど攻守両面でのインパクトを残した。彼に対する関心はニューカッスルに限らず、トッテナム、アーセナル、そしてマンチェスター・ユナイテッドといったライバルクラブも関心を示しており、獲得競争は熾烈を極めている。
RBライプツィヒ側は6000万ポンドのオファーが届けば売却に応じる姿勢を見せており、選手本人も新たな挑戦に前向きとされている。契約は残り2年。週給16万ポンドという高額なサラリーがネックとなる可能性もあるが、ニューカッスルが真剣に獲得に乗り出せば、その動きは他クラブにとっても大きなプレッシャーとなるはずだ。
一方、より安価な投資で将来性に賭ける選択肢として浮上しているのがアントニオ・ヌサ。20歳のノルウェー代表ウィンガーは、昨夏クラブ・ブルージュからライプツィヒに加入し、公式戦40試合で5ゴール8アシストを記録。まだ発展途上ながら、そのスピードとドリブルで攻撃のアクセントを加える能力には定評がある。
評価額はおよそ4000万ポンドとされており、ニューカッスルがこの若武者に目をつけるのも納得だ。8月16日のプレミアリーグ開幕戦、アストン・ヴィラとの対戦に向けて、ポジション内の競争を煽る意味でも彼の加入は理想的な補強となるだろう。
現在のニューカッスルは、ノッティンガム・フォレストのアンソニー・エランガに対して4500万ポンドのオファーを提示するも断られ、さらにはミゲル・アルミロンがアトランタ・ユナイテッドへ復帰した影響で攻撃陣の枚数が不足気味。そうした背景を受けて、シモンズとヌサの獲得は戦力面でも戦略面でも理にかなった動きとなっている。
総額1億ポンドにも達すると見込まれるこの補強計画は、ニューカッスルにとって過去最大規模の投資案件となる可能性もある。なお、ジョアン・ペドロへの関心も報じられており、センターフォワードのポジションでも競争を促す姿勢が見受けられる。
ふたたびチャンピオンズリーグに戻り、過密日程を過ごすニューカッスル・ユナイテッドは、RBライプツィヒから将来有望株を獲得することに成功するのか。