ミドルズブラが誇る若き才能、ヘイデン・ハックニーの名前が、プレミアリーグの移籍市場で大きく取り沙汰されている。
2025年夏の移籍市場は、プレミアリーグ各クラブが中盤の補強に動く中、23歳のセントラルミッドフィルダーに対する評価が急騰している。英『EFL Analysis』によれば、ハックニーに関心を示していないプレミアリーグクラブは「一つもない」というほどで、トップリーグのスカウト陣がこぞってその動向を注視している状況。
現在、U-21欧州選手権にイングランド代表として参戦中のハックニーは、オランダ戦でハーヴェイ・エリオットの決勝ゴールをアシスト。途中出場ながら流れを変える働きを見せ、存在感をアピールしている。クラブでも代表でも目覚ましい活躍を続けており、その市場価値は日を追うごとに上昇中だ。
移籍金は最大2500万ポンド…クラブにとっては“純利益”
報道によると、ハックニーの移籍金はおよそ2000万ポンドと見積もられており、今後の代表戦でのパフォーマンス次第では2500万ポンドに達する可能性もあるとされる。
これはミドルズブラにとって無視できない金額だ。経営状態に逼迫した様子はないが、今季から新体制となったロブ・エドワーズ監督のもとでの補強費用を捻出する上でも、アカデミー出身のハックニーの売却はクラブにとって「純利益」となる。そのため、現実的にはオファーが届けば売却を拒むのは難しいとの見方が強まっている。
エドワーズ新監督は、ミドルズブラを2017年以来のプレミアリーグ昇格へ導くという難しいミッションに挑む。だがその船出を前に、チームの中核を担う若き司令塔が抜ける可能性が高まっており、ファンにとっては不安の残るシーズン開幕となりそうだ。
プレミアリーグからの関心は、クリスタル・パレスやノッティンガム・フォレストといった中堅クラブだけにとどまらない。トッテナムやマンチェスター・ユナイテッドも動向を探っており、特にウェストハムはグラハム・ポッター監督が中盤の再編を狙う中で関心を示している。さらに、バーンリーも候補として浮上しており、争奪戦の様相を呈している。
昨季、ミドルズブラでリーグ戦36試合に出場し、攻守両面で安定したプレーを見せたハックニー。マイケル・キャリック元監督からも模範的と評されるほどの信頼を得ており、ピッチ上での存在感は別格だった。
それだけに、クラブにとっては痛手であることに変わりはない。しかし、下部組織から育った選手がトップリーグへ羽ばたくことは、ミドルズブラの育成方針の成果であり、同時にクラブ運営の一部でもある。
レッドカー出身のこの若者が、今夏、イングランドのトップステージへステップアップすることは、もはや時間の問題といえるだろう。