2025年夏の移籍市場を前に、プレミアリーグ中位争いの鍵を握るウルヴァーハンプトン・ワンダラーズに、新たな転機が訪れようとしている。ポルトガル代表DFネルソン・セメドの退団が現実味を帯びており、クラブは後任としてサウサンプトンの右SB、カイル・ウォーカー=ピータースに照準を定めているようだ。
複数メディアが報じたところによれば、セメドはウルブスとの契約延長に至っておらず、フリーでの退団が目前に迫っているという。グレアム・ベイリー記者が、英『Molineux News』に伝えたところによると、「セメドは海外移籍の可能性が非常に高い」と語っており、中でも古巣ベンフィカへの復帰が最有力と見られている。
クラブは当初、残留を強く希望していたが、ここにきて交渉は停滞。セメドはすでに次のキャリアを見据えているようだ。
2010年代後半にバルセロナで頭角を現し、2020年からウルブスに加入したセメドは、右サイドから攻守に存在感を放ち続けた。持ち前のスピードと攻撃参加の意識の高さは、過去4シーズンにわたってチームのバランスを支えてきた。その経験豊富な守備者の流出は、単なる選手の退団に留まらず、チーム全体に大きな再編を迫るものとなる。
ウォーカー=ピータースに熱視線!ウルブスの補強戦略は的確か
セメドの退団を見越して、ウルブスはすでに後釜探しに動き出している。その中でも具体的な候補として挙がっているのが、サウサンプトンのカイル・ウォーカー=ピータース。今夏で契約満了を迎える同選手に対しては、ウルブスを含む複数クラブが関心を寄せており、争奪戦は避けられない情勢となっている。
ベイリー記者は、「ウォーカー=ピータースにはエヴァートン、フラム、リーズ、そして古巣トッテナムが関心を示している」とし、プレミアリーグ内外で激しい競争が繰り広げられていることを明かしている。中でもウルブスは、セメドの退団確定を待たずして、先手を打つ構えを見せている。
トッテナムの下部組織出身で、サウサンプトンでは主力として安定したプレーを続けてきたウォーカー=ピータースは、27歳にしてプレミアリーグでの実績も申し分ない。攻撃力に加えて守備の読みも高く評価されており、セメドの後を継ぐには申し分のない存在と言える。ウルブスにとっては、単なる戦力補強ではなく、将来性と即戦力を兼ね備えた“理想的な一手”となるかもしれない。
現時点で本人は複数のオファーを受けており、慎重に次のステージを見極めている段階と見られる。クラブの戦略、出場機会、そしてプレースタイルへの適応性が、移籍先決定の重要な要素となるだろう。
ウルブスは昨季、プレミアリーグにおいて16位と低迷。来季以降は国内リーグで安定して戦い抜くためにも、主力の流出を補うだけでなく、全体の戦力層の底上げが不可欠。
その意味で、セメド退団という大きな痛手をどう乗り越えるかは、単なる右サイドバックの交代以上の意味を持つ。ウルブスのフロント陣は、補強リストに並ぶ候補たちをいかに見極め、的確に動けるかが試されるフェーズに差しかかっている。
はたして、ウルブスはウォーカー=ピータース獲得に成功するのか。トップリーグでの激しい競争を勝ち抜く必要があるが、どのような展開を迎えるか。