ワトキンスの売却は不可避?アストン・ヴィラ、PSR規則に迫られる決断の時

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ワトキンスの売却は不可避?アストン・ヴィラ、PSR規則に迫られる決断の時 Arsenal

2024-25シーズンのプレミアリーグを6位で終えたアストン・ヴィラは、来季のヨーロッパリーグ出場権を確保するなど、近年稀に見る成功を収めたクラブの一つだ。しかし、ピッチの外では大きな懸念が広がっている。プレミアリーグが定めるPSR(利益と持続可能性に関する規則)への対応が迫られる中、エースストライカーのオリー・ワトキンスに売却の可能性が浮上している。

英『Football Insider』が伝えたところによると、ヴィラは6月30日の会計年度末までにPSR規則を遵守する必要があり、主力選手の放出によって帳簿をバランスさせる動きに入っている。PSRでは、3年間で合計1億500万ポンドの損失までが許容されているが、今季の登録可能な損失は1500万ポンドとされており、クラブの財務状況は深刻な段階に達している。

このタイミングでクラブの中枢に位置するワトキンスの名前が売却候補として浮上したのは、単なる噂ではない。所有グループであるNSWEは、最も市場価値の高い選手を放出することで即時の利益を確保しようとしており、ワトキンスはその筆頭格と見られている。

17ゴール14アシストのエースに沈黙する市場!期限までの展開に注目

昨季、全公式戦で17ゴール14アシストという目覚ましい結果を残し、クラブのプレミアリーグ最多得点記録も塗り替えたオリー・ワトキンス。ウナイ・エメリ監督の下で絶対的な存在感を示してきたが、PSRへの対応を最優先とするクラブにおいて、その地位も絶対ではなくなっている。

2028年まで契約を残すワトキンスには、1月にアーセナルから4000万ポンドのオファーが届いたが、ヴィラはこれを拒否していた。しかし、現在は複数の代理人を通じて、ワトキンスが売却可能であることが市場に知らされており、クラブの立場が大きく変わったことを示している。

英『Football Insider』の独占情報によれば、この静けさはクラブ関係者にとっても想定外であり、焦りを感じさせる展開となっている。

アーセナルが依然としてワトキンスに関心を持ち続けているとされる一方、チェルシーやマンチェスター・ユナイテッドも今夏のストライカー市場を注視しており、状況次第では動きが出る可能性もある。

さらに、クラブはエミリアーノ・マルティネスやユーリ・ティーレマンス、ルカ・ディーニュら主力の放出も検討しており、アカデミー育成選手であるルイ・バリーやカイン・ケスラー=ヘイデンらの売却も進行中。特に育成選手の売却は会計上、全額が利益として処理できるため、PSR対策として有効な一手とされている。

ヨーロッパリーグ参戦を控え、陣容の維持は来季の成功に不可欠だが、短期間での資金確保という現実的な問題が、クラブを難しい立場に追い込んでいる。攻撃の軸を失うことになれば、エメリ監督の戦術にも大きな修正が迫られるだろう。

6月30日までに決断を迫られるアストン・ヴィラ。果たしてこの綱渡りのような財政状況をどう乗り越えるのか、そしてワトキンスの去就がどう決着するのか。