2024-25シーズン、セリエAで輝きを放ったストライカーが、プレミアリーグ復帰に向けて大きな転換期に突入。フィオレンティーナで完全復活を遂げたモイーズ・キーンに、マンチェスター・ユナイテッドが強い関心を寄せており、その動きが加速している。
ユナイテッドは今夏、攻撃陣のテコ入れを図る方針を掲げており、最前線に実績ある得点源を加えることを目指している。スポルティングCPのヴィクトル・ギョケレスが第一候補とされる中、代替案として急浮上しているのがキーンの名前だ。
2024年夏、ユヴェントスから1300万ユーロでフィオレンティーナに加入したキーンは、今シーズン、すべての公式戦を通じて44試合25得点3アシストを記録。32試合19ゴールを挙げたセリエAでは、自身最高のシーズンを送り、11月の月間MVPにも輝いた。
なかでも、ヴェローナ戦でのキャリア初ハットトリック、インテルとのビッグマッチで2得点、アタランタとの上位対決での決勝弾など、重要な場面での勝負強さが光った。カンファレンスリーグでも準々決勝チェリェ戦で勝ち上がりを決める一撃をマークするなど、チームにとって欠かせない存在となっている。
契約解除条項は7月1日からの2週間…ユナイテッドの決断迫る
フィオレンティーナとの契約には、5200万ユーロの契約解除条項が含まれているが、これは7月1日から15日までの2週間限定で発動可能。つまり、マンチェスター・ユナイテッドがこの条項を行使するには、猶予がほとんど残されていない状況。
この金額は、今の市場で見ればお買い得と捉えることもできる。特に、今夏のストライカー市場が過熱している中では、迅速な判断が求められる。
伊『Il Corriere Dello Sport』によれば、ユナイテッドはキーンに対し年俸2000万ユーロ、週給で約33万ポンドの契約を準備している模様。この条件が成立すれば、ブルーノ・フェルナンデスを上回る給与で、チーム内でも2番目に高額な選手となる見通しだ。
一方で、サウジアラビアのアル・カドシアも1500万〜1700万ユーロの提示をしているとされるが、現時点でキーン本人は中東移籍に関心を示していない。彼にとってプレミアリーグでの再挑戦、そしてオールド・トラッフォードという舞台こそが魅力的に映る。
ユナイテッドは既にキーンを昨季中からスカウトしており、クラブ関係者も「お気に入りのストライカーの一人」と高評価を与えている。チャンピオンズリーグ出場権がない点は懸念材料となるが、それ以上にユナイテッドの再建プロジェクトにおいて、彼の決定力は大きな意味を持つ。
昨シーズンの大活躍によって、最大の注目銘柄となったモイーズ・キーン。その未来が、プレミアリーグ復帰によって再び輝きを放つのか。残された2週間の交渉は、赤い悪魔の補強戦略において極めて重要な分岐点となりそうだ。