今夏の移籍市場が本格化する中、クリスタル・パレスが守備の柱として注目を集める若手センターバック、ウスマン・ディオマンデの獲得に動いている。スポルティングCPに所属する21歳のコートジボワール代表DFに対し、クラブ史上最高額となる5500万ユーロでの移籍が目前に迫っていると、ポルトガル紙「A Bola」が報じている。
同メディアによれば、当初スポルティングは契約解除金として8000万ユーロを設定していたが、交渉の結果、ボーナス込みで5500万ユーロでの合意に近づいているという。オリバー・グラスナー監督の下で再建を図るパレスにとって、将来を担う逸材の確保は重要な一手となる。
選手本人もプレミアリーグでのプレーを望んでおり、すでに個人合意にも達している模様。5年契約が予定されており、年俸はスポルティング時代の約50万ユーロから大幅増となる見通しだ。
この移籍が持つ意味は、単に一人の若手DFのステップアップにとどまらない。ディオマンデの加入は、リヴァプールが熱視線を送るイングランド代表DFマルク・グエイの去就に直結する可能性が高まっている。
グエイの退団が濃厚に!?リヴァプールの動きが本格化か
リヴァプールが今夏の補強ターゲットに据えるマルク・グエイ。その移籍が現実味を帯びる背景には、二つの要素が重なっている。まず第一に、グエイ自身がクリスタル・パレスとの契約延長を望んでいないこと。現在の契約は2026年まで残っているが、残り1年を切るタイミングでクラブ側は今夏の売却を検討せざるを得ない状況にある。
そして第二に、ディオマンデという即戦力のセンターバックが事実上の「後釜」として確保されつつある点だ。パレスがクラブ記録を更新する移籍金を投じてまで獲得に動いたことからも、グエイの退団は既定路線と見る向きが強まっている。
リヴァプールはすでにアルネ・スロット新監督の下でグエイに明確な構想を提示しており、出場機会の保証も含めて選手側との交渉を進めている。移籍市場に精通するファブリツィオ・ロマーノ氏も、同クラブがグエイを高く評価していると報じており、今週中にも新たな動きがある可能性が示唆されている。
なお、クリスタル・パレス側はグエイに対して4500万〜5000万ポンドを要求しているが、契約状況を踏まえ、リヴァプールは交渉の中で金額面の譲歩を引き出そうとする構えだ。
今回の動きは、単なる個別の移籍では終わらない。ウスマン・ディオマンデの加入は、パレスの守備陣再編の狼煙となり、マルク・グエイの退団はプレミアリーグ全体のDF市場に大きな影響を及ぼすことになるだろう。