プレミアリーグのクリスタル・パレスが、夏の移籍市場において大胆な戦略に打って出ようとしている。ターゲットに挙がっているのは、チャンピオンシップで飛躍したミドルスブラの若き才能、ヘイデン・ハックニーとラフ・ファン・デン・ベルフ。さらに、守備の要マルク・グエイの去就にも注目が集まり、クラブは大きな岐路に立たされている。
ハックニー&ベルフに2700万ポンド超の投資か
英『The Sun』によれば、クリスタル・パレスはミドルスブラに所属する23歳のMFヘイデン・ハックニーに対し、1500万ポンドの評価額で獲得を検討している。同選手はアカデミー出身ながら、今季のカップ戦ではチェルシーやアストン・ヴィラ相手にも堂々としたプレーを見せ、チームの中心選手へと成長。昨夏のU-21欧州選手権では、イングランド代表の一員として大会制覇に貢献した。
すでにトッテナムを含む複数のクラブが関心を示しており、ドイツのシュトゥットガルトやポルトも動向を注視。実際、今年1月にはポルトから900万ポンドのオファーが届いていたものの、ミドルスブラはこれを拒否している。
一方で、評価額1200万ポンドのCBラフ・ファン・デン・ベルフも獲得候補に浮上。オランダ出身の20歳は昨季ミドルスブラで27試合に出場し、U-21欧州選手権ではオランダ代表としてプレー。準決勝ではイングランドに敗れたが、将来性に富んだ守備者として注目されている。
この2選手の合計移籍金は2700万ポンド規模と見られ、パレスは次代の中盤と守備の軸を同時に手に入れようとしている。
グエイにリバプールが急接近!後釜確保が最優先課題
今回の補強が注目される背景には、イングランド代表DFマルク・グエイの動向がある。契約は残り1年で、現時点で延長の意思はないとされ、クラブ側は今夏の売却を視野に入れている。
リヴァプールは、ジャレル・クアンサーのバイエル・レバークーゼン移籍、イブラヒマ・コナテの将来不透明といった状況を受けて、グエイを獲得候補にリストアップ。過去にはアーセナル、トッテナム、ニューカッスルも興味を示していたが、現段階で最も熱心なのがリヴァプールと報じられている。
クリスタル・パレスとしては、グエイの移籍が現実味を帯びる中、早急に代役を確保したい思惑がある。ファン・デン・ベルフは20歳ながらチャンピオンシップで着実に出場機会を得ており、プレミアリーグでも通用すると見込まれている。
クラブを率いるオリバー・グラスナー監督は、来季の欧州カップ戦出場の可能性を視野に入れており、チーム全体の底上げを急務としている。ただし、UEFAの複数クラブ所有ルールによって欧州大会への出場可否には依然として不確定要素が残っており、編成は慎重さを求められる状況だ。
ミドルスブラにとっても、ロブ・エドワーズ新監督が就任わずか1週目にして主力2名を失う可能性は大きな痛手。しかし、売却によって得た資金を再編に充てることができれば、チーム改革のチャンスにもなり得る。