2024-25シーズン、チャンピオンシップのプレーオフを勝ち上がり、来季からのプレミアリーグ昇格を果たしたサンダーランドが、フランスU-21代表の有望株マティス・アブリンに熱視線を送っている。しかし、交渉は早くも暗礁に乗り上げつつあるようだ。
仏『Foot Mercato』報道によれば、サンダーランドはFCナントに対して約2000万ユーロのオファーを提示。しかしナント側はこの金額を一蹴し、4500万ユーロという強気な評価額を引き下げるつもりはないようだ。
ナントのワルデマール・キタ会長は、過去にもマルセイユからの2度のオファー(1200万ユーロ、1500万ユーロ)を立て続けに拒否しており、売却に対して極めて慎重な姿勢を貫いてきた。クラブの財政が健全であることも相まって、無理に現金化する必要もないようだ。
サンダーランドの交渉戦略と次なる一手
クラブのスポーツディレクターを務めるクリスティアーン・スピークマンが中心となり、アブリン獲得に向けた交渉を主導しているサンダーランド。現在もナントとの折衝は継続中だが、提示額を大幅に引き上げる意向は示していない。
関係者によれば、サンダーランドは費用対効果を最重要視しており、アブリン獲得が不調に終わった場合には、代替案として他のストライカーに矛先を向ける準備も進めている様子。ウクライナU-21代表FWヴラディスラフ・ヴァナトや、アルメリア所属のコロンビア代表ルイス・ハビエル・スアレスの名前も補強リストに挙がっている。
ただし、ヴァナトも2000万ユーロ程度の評価額を下回るオファーでは獲得が難しく、スアレスに関しても年齢や再販価値を考慮した上での慎重な姿勢が見られる。サンダーランドはこれまでの傾向として、移籍市場の終盤に差しかかると積極的な再交渉に打って出ることが多いため、今後の動きが注目される。
一方でアブリン本人は、現時点では移籍に対する明確な意思を示していない。とはいえ、マルセイユへの関心が報じられるなど、本人の意向が交渉に影響を与える可能性もある。ナントの価格設定は非現実的とする見解が多いが、それでもクラブは断固として譲るつもりはない。
プレミアリーグ復帰を果たし、今まさに戦力整備の真っ只中にあるサンダーランドが、果たしてフランスの強豪ナントを説得できるのか。夏の移籍市場が終盤を迎える中で、アブリンを巡る交渉劇は一層の緊張感を帯びていくことになりそうだ。