トッテナム・ホットスパーに所属するブラジル代表FWリシャルリソンが、今夏の移籍市場でクラブを離れる可能性が濃厚となっている。英『The Sun』の報道によれば、クラブの新監督に就任したトーマス・フランクが、28歳のストライカーに対して放出を容認する姿勢を示しており、移籍へのハードルが一気に下がったようだ。
2022年夏、当時のアントニオ・コンテ政権下でエバートンから約5000万ポンドで鳴り物入りの加入を果たしたリシャルリソンだったが、2シーズンにわたって北ロンドンで思うような結果を残すことはできなかった。
トッテナムでの通算出場90試合でわずか20ゴール10アシストと、期待された得点力は影を潜め、今季に至っては30試合以上を怪我で欠場。プレミアリーグでは15試合の先発出場にとどまり、4得点という寂しい数字に終わっている。
献身性や守備時の貢献には一定の評価があるものの、トーマス・フランクは得点力の乏しさを課題として捉えており、クラブはすでに損失の最小化を念頭に、完全移籍での放出を模索しているという。
ガラタサライが獲得へ本腰へ!エバートン復帰は消滅…サウジからの関心も届かず
現時点でリシャルリソンの移籍先として最有力とされているのが、トルコの名門ガラタサライだ。同クラブは当初レンタルでの獲得を検討していたが、ここへ来て完全移籍での交渉に切り替えたとされ、移籍金は2000万ポンド前後に落ち着く見通しだ。
一方、かつて在籍したエバートンへの復帰も一部メディアで取り沙汰されたが、デイヴィッド・モイーズ監督がその可能性を否定したと、英『The Sun』は伝えている。クラブはニューカッスルのカラム・ウィルソンをキャルバート=ルーウィンの後継者としてリストアップしており、ベトの存在も含めて前線の編成は既に進行中のようだ。
また、サウジアラビアからもオファーの打診は届いていた模様だが、本人はあくまでも欧州でのプレーを望んでおり、中東移籍の線は現時点で優先順位が低いと見られている。
さらに、ガラタサライがリシャルリソンに注目する背景には、ナポリのナイジェリア代表FWヴィクター・オシムヘンの獲得難航がある。
トルコ王者はオシムヘンに対し7500万ユーロという巨額のオファーを準備しているが、返答が得られず時間切れも迫っている状況だ。アブドゥッラー・カブクチュ副会長も、より好条件を提示しているにもかかわらず、交渉が停滞している現状に不満を隠していない。
こうした中で、より現実的なターゲットとして浮上しているのがリシャルリソンというわけだ。ガラタサライにとっては戦力補強の“プランB”であると同時に、彼が持つ経験値や献身性は、欧州カップ戦での戦いを見据えるクラブにとって大きな価値となるだろう。
トッテナム側としても、得点力の強化を図る中で、リシャルリソンの放出による資金確保は補強戦略を進めるうえで好材料。プレミアリーグでの苦い記憶を払拭し、再び輝きを放つ舞台となるかもしれない。