新シーズンへ向けてチームの立て直しを図るウェストハム・ユナイテッドが、中盤のテコ入れを最優先事項として動き出している。今季、期待されたカルロス・ソレールやギド・ロドリゲスが十分な結果を残せなかったことで、中盤の機能不全が顕著となった。また、長らく中核を担ってきたトマーシュ・ソウチェクにも退団の噂が浮上しており、構想の見直しが避けられない状況だ。
こうした中、クラブは複数のミッドフィルダーをリストアップしており、その中にはバイエルン・ミュンヘンで序列が下がり気味なポルトガル代表MFジョアン・パリーニャらと並び、リバプール所属のタイラー・モートンの名前も浮上していると、ポルトガル紙『O Jogo』が報じている。
2002年生まれの22歳は昨季プレミアリーグでの出場はなく、全公式戦でわずか5試合・261分のプレータイムにとどまっている。それでも、そのポテンシャルとプレービジョンは高く評価されており、ウェストハムが将来性に賭けるターゲットとして注目しているのは自然な流れと言える。
イングランドU-21代表にも選出されており、先日U-21欧州選手権優勝を果たしたメンバーの一人として、トロフィーを掲げた。チャンピオンシップでは実績があり、ブラックバーンやハル・シティでは中軸として活躍してきた。
アヤックス、クラブ・ブルッヘらも争奪戦に参戦
とはいえ、ウェストハムにとってモートンの獲得レースは一筋縄ではいかない。同選手にはアヤックス、クラブ・ブルッヘ、SCブラガといった欧州の有力クラブも関心を示しているという。
特に、育成に定評のあるアヤックスや、ヨーロッパカップ戦の常連であるクラブ・ブルッヘ、さらにポルトガルでの躍進が続くSCブラガは、若手選手にとって魅力的なステップアップ先となり得る。いずれもモートンに定期的な出場機会を提示できる可能性が高く、選手自身の意思決定にも大きな影響を与えるだろう。
一方で、リバプール側のスタンスにも注目が集まる。現時点で明確な移籍金は提示されていないものの、出場機会に恵まれていない状況や契約の残り期間を考慮すれば、クラブとしても現実的なオファーには耳を傾ける可能性がある。
22歳という年齢は、プロキャリアを左右する分岐点だ。リバプールでの飛躍を目指すのか、それとも新天地での挑戦に活路を見出すのか。選択によって、彼のキャリアの形は大きく変わってくる。
今後、ウェストハムがどれほど具体的な動きを見せるのか、またリバプールがどのような条件を求めるのか。他クラブからの正式オファーも含めて、タイラー・モートンを巡る争奪戦は、この夏の移籍市場における注目トピックの一つとなりそうだ。